「売れているのに利益が出ない」を解決する!製品別採算分析の実践ガイド

目次
- 1 はじめに
- 2 成果を生む製品とは何か?なぜ経営は“製品別”で考えるべきか
- 3 なぜ原価計算では利益が見えないのか?財務会計の限界
- 4 中小企業が今日から使える!製品別収益性分析のフレーム
- 5 稼げない主力製品、利益を生むニッチ製品の見分け方
- 6 捨てる決断が利益を生む:意思決定に活かす製品別分析の極意
- 7 おわりに
はじめに
「なぜ、これだけ売れているのに利益が出ないのか…?」
売上は順調。顧客の数も減っていない。それでも、毎月の帳簿を開けば、期待していた利益はどこにもない――。
中小企業の経営者であれば、一度はこうした悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。
実はその原因、多くの場合は**“製品別の収益構造が見えていない”**ことにあります。会社全体では黒字でも、「稼げない製品」に時間とお金を奪われているケースは非常に多いのです。
――どうも、中小企業診断士で株式会社創和経営コンサルティング 代表取締役社長の古町(ふるまち)です。製品別採算分析・収益改善コンサルティングの現場で培った経験をもとにまとめました。
この記事では、製品別採算性を分析する実践的な手法と、捨てるべき製品の見極め方、そして経営判断につなげる意思決定の極意までを体系的に解説します。
今日からすぐ使える分析シートのテンプレートや、工数・付加価値に基づいたフレームワークも紹介していますので、ぜひ最後まで読み進めていただければと思います。
成果を生む製品とは何か?なぜ経営は“製品別”で考えるべきか
「会社の利益は、製品によってしか生まれない」という大前提
経営者として、毎日のように売上やコスト、人材、営業戦略などに頭を悩ませていることでしょう。しかし、どれだけ施策を講じても、「最終的な成果が出ない」ケースが後を絶ちません。
この原因を突き詰めると、実は非常にシンプルです。
会社の成果は、製品(またはサービス)そのものに宿る。
これは抽象論でも哲学でもありません。数字の世界においても絶対的な事実です。企業が経済的価値を創出する唯一の手段は、何かを「製品」として世に出し、それをお金に換えることだからです。
つまり、利益は経費を削ることでも、営業努力を重ねることでも、金融政策に期待することでも生まれません。
**“良い製品をつくり、それが売れて、利益を生む”**という王道から外れた瞬間、企業の存続は危うくなるのです。
あなたの会社の「利益」は、どの製品が生んでいますか?
ここで、あなたに問いかけたいのがこの質問です。
「自社のどの製品が、一番利益を生んでいますか?」
即答できる経営者は、意外なほど少ないのが現実です。
「売上が一番高い商品が一番利益がある」と思っていませんか?
「全部の商品がそれなりに利益を出してる」と感覚的に捉えていませんか?
実はこれが、大きな落とし穴なのです。
売れているのに、赤字を垂れ流している製品の恐怖
以下の実例を見てみましょう。
- 売上高:月商2,000万円
- 商品ラインナップ:A~Fまで6商品
- 売上構成:A商品が全体の40%を占める
- 利益構成:A商品は“赤字”、D商品が全体利益の70%を支えていた
この会社は、売上の大半を占めるA商品がコスト高・価格競争の激化により、売れば売るほど赤字になる構造に陥っていました。
つまり、売上は立っているのに、利益が減り続けるという地獄のスパイラルにあったのです。
なぜ「全体」で見てはいけないのか?
多くの経営者は、損益計算書や会計報告書を「会社全体」でしか見ていません。
- 売上:○○円
- 売上原価:○○円
- 営業利益:○○円
確かに、会社の健康状態を知るためには必要な情報です。しかし、これだけでは「どこが良くて、どこが悪いか」が見えてこないのです。
たとえるなら、体温計で熱はわかっても、「どこが痛いか」はわからないようなものです。痛みの原因を特定しないままでは、適切な治療=経営改善も不可能です。
製品別で見ると、経営の“盲点”が浮かび上がる
製品ごとの収益性を分析すると、次のような発見ができます。
| 製品名 | 売上 | 粗利 | 粗利率 | 工数 | 貢献度 |
|---|---|---|---|---|---|
| A製品 | 800万 | -50万 | -6.3% | 200時間 | 最低 |
| B製品 | 300万 | +150万 | 50% | 80時間 | 高 |
| C製品 | 500万 | +100万 | 20% | 60時間 | 中 |
このように見ることで、「赤字製品を切る/改善する」「利益製品に注力する」「工数効率の良い製品を伸ばす」といった具体的な打ち手が見えてきます。
「どこに経営資源を集中すべきか?」が見えるようになる
製品別で経営を見ていくことで、資源配分の最適化が可能になります。
- 売上があるのに利益が出ない → コスト構造を見直す or 撤退
- 利益率が高いけど売れていない → 販売強化・チャネル戦略
- 工数が重すぎる → 標準化・外注化・生産ラインの見直し
このように、「やるべきこと」と「やらなくていいこと」がハッキリ分かれるため、経営のスピードも質も飛躍的に上がります。
製品別分析が経営の「羅針盤」になる
今後の経営戦略において、最も重要なのは「選択と集中」です。
全製品を一律に扱っていては、時間もお金も人材も分散し、成長のスピードは鈍ります。
むしろ、「捨てる勇気」「伸ばす覚悟」を持つことで、会社の利益体質は劇的に変わります。
その判断軸を与えてくれるのが、まさに製品別分析なのです。
まとめ:経営者が“製品”を知らずして、何を知るのか?
最後に、もう一度問いかけます。
「あなたの会社にとって、最も利益を生む製品はどれですか?」
これに即答できない状態で経営判断を下すのは、いわば地図を持たずに山に登るようなものです。
この後のパートでは、実際にどうやって製品別の収益性を分析するかをステップごとに解説します。数式や表も用いながら、誰でもすぐに実践できる形に落とし込みます。
なぜ原価計算では利益が見えないのか?財務会計の限界
原価計算を信じていたのに、赤字が止まらない…
「うちはしっかりと原価計算しているから、大丈夫だ」
そう信じている経営者ほど、落とし穴にハマりがちです。
実際、多くの中小企業で見られるのが次のような現象です。
- 毎月の損益計算書では黒字。
- しかし、資金繰りは苦しい。
- 製品別の収益性を聞かれると、「そこまでは把握していない」。
- 気づいたら、赤字製品が利益の半分以上を食いつぶしていた。
これ、決して珍しい話ではありません。
そしてその原因の多くは、「原価計算と財務会計の限界」にあります。
財務会計は「過去の結果」しか教えてくれない
まず大前提として、財務会計や損益計算書(P/L)は過去の実績報告書にすぎません。
財務会計 = 株主・税務署・銀行のための“報告資料”
つまり、
- どの製品が利益を生んだのか?
- どの商品が足を引っ張ったのか?
- 利益を増やすには何をやめて何を伸ばすべきか?
といった経営判断に必要な情報は、実はほとんど含まれていないのです。
原価計算の罠:「製品別の真の収益性」は見えない
一般的な原価計算では、材料費や人件費を積み上げて製造原価を出します。
しかし、ここに“重大な落とし穴”があります。
原価計算の限界ポイント:
| 項目 | 説明 | 経営判断への影響 |
|---|---|---|
| 共通費の配賦 | 人件費・光熱費・減価償却などを各製品に「割り振る」 | 実態と合わず、製品ごとの収益が正確に見えない |
| 固定費の曖昧さ | 原価に含める固定費の基準がバラバラ | 赤字商品が黒字に見える錯覚 |
| 時間あたり収益性 | 原価計算では「時間効率」が考慮されない | 工数を食う低収益製品を見逃しやすい |
| 生産量のバラつき | 小ロット製品ほどコストが割高になるが、原価では均されて見える | 利益率が実態より高く見えるリスク |
実際の例:売れているのに会社を蝕む「赤字製品」
ある中堅製造業では、売上全体の30%を占める主力製品Aが、実は赤字製品だったという衝撃の事実が発覚しました。
- 売上:月900万円
- 製造原価(原価計算上):700万円 → 粗利200万円と見える
- しかし実態:外注費・人件費・工数をすべて考慮すると「赤字50万円」
これはなぜか?
共通経費が適切に配賦されていなかったため、本当のコスト構造が見えていなかったのです。
会計は「全体」を見る。経営は「個別」を見なければならない。
財務会計は会社全体の数字を整えるには便利です。税務署への提出や決算処理のためには欠かせません。
しかし、経営者として重要なのは、**“どの製品・どの事業・どの顧客が儲けを生んでいるか”**を見抜くことです。
それがわからない状態で、経営戦略を立てるのは「目隠しでダーツを投げる」ようなものです。
原価計算に頼りきると、こうなる
- 売れ筋に見える製品が実は赤字
- 営業部門が低収益商品ばかり売っている
- 利益が出ているはずなのに、キャッシュが増えない
- 「値下げでシェア拡大」戦略が、会社をじわじわ蝕む
これらすべて、原価計算やP/Lだけを見て判断した結果です。
真に見るべきは、「製品別の付加価値」
製品の収益性を正しく測るためには、「売上」や「原価」ではなく、付加価値を見る必要があります。
付加価値とは、こう定義されます:
付加価値 = 売上高 − 外部支払費用(原材料費・外注費など)
つまり、自社で生み出した真の価値がいくらなのか、を測る指標です。これがわかると、
- 付加価値の高い製品 = 利益体質が強い
- 付加価値の低い製品 = 構造的に赤字を生みやすい
といった戦略判断が可能になります。
付加価値を「見える化」するための分析が必要
製品別の付加価値を分析することで、次のような改善ができます。
- 高付加価値製品にリソースを集中する
- 赤字製品を見直し、撤退・改良する
- 営業戦略を“売上”から“利益”重視へシフト
- 社内の工数配分・人件費配分も見直す
製品別分析なしに経営判断するのは、「勘と経験」経営
最後に厳しい一言を添えます。
原価計算や財務会計だけで判断している経営は、「勘と経験」に頼る属人的経営です。
中小企業がこの時代を生き抜くには、**数字に基づく“科学的経営”**が不可欠です。
そしてその第一歩が、製品別の付加価値分析=真の利益構造の可視化なのです。
中小企業が今日から使える!製品別収益性分析のフレーム
「製品別分析、やってみたいけど…」という経営者の声に応える
これまでの記事で、製品別で見ることの重要性は理解いただけたと思います。
ただ、こう思われたかもしれません。
「理屈はわかるけど、具体的にどう分析すればいいのか分からない」
「経理や会計に詳しいスタッフもいない…」
「そもそもExcelで何を作ればいいのか想像がつかない…」
安心してください。
ここでは、**中小企業の経営者が、明日からでも取り組める“超実践型フレーム”**をご紹介します。
まずはこれだけでOK:「製品別 付加価値分析シート」
まず取り組むべきは、「製品別の付加価値」を見える化することです。
そのために、次のような簡単な表をつくってみましょう。
■ 製品別付加価値分析シート(例)
| 製品名 | 売上 | 原材料費 | 外注費 | 粗付加価値 | 社内工数 | 1時間あたり付加価値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A製品 | 1,000万 | 500万 | 200万 | 300万 | 150時間 | 2万円/時間 |
| B製品 | 800万 | 200万 | 100万 | 500万 | 80時間 | 6.25万円/時間 |
| C製品 | 500万 | 100万 | 250万 | 150万 | 60時間 | 2.5万円/時間 |
このように**「粗付加価値(= 売上 - 原材料費 - 外注費)」と、社内工数を使って、1時間あたりの生産性**を算出します。
これだけで、どの製品が「儲かる体質」かが明確になります。
ステップ① 製品別に必要な数字を整理する
まず集めるべきは次の4つのデータです。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 売上高 | 製品ごとの売上 | 月単位または年単位でも可 |
| 原材料費 | 仕入原価・部品代など | 製品に直接関わるもの |
| 外注費 | 加工費、委託費など | 工程が外注されているもの |
| 社内工数 | 社員の作業時間 | 生産・設計・サポートも含む |
ステップ② 付加価値を算出する
次に、付加価値をこう計算します。
付加価値 = 売上高 − 原材料費 − 外注費
たとえば、以下のようになります。
- 売上:1,000万円
- 原材料費:500万円
- 外注費:200万円
→ 付加価値 = 300万円
ステップ③ 社内工数を時間換算して算出する
作業時間は、ざっくりでもOKです。
- 生産:A製品は毎月200時間かかる
- B製品は80時間くらい
- C製品は設計にも時間がかかって合計120時間
という感覚的な把握で構いません。
ステップ④ 1時間あたり付加価値を算出する
1時間あたり付加価値 = 付加価値 ÷ 工数
この数字こそが、その製品が会社の時間をどれだけ効率よくお金に換えているかを示すものです。
- A製品:2万円/時間
- B製品:6.25万円/時間 ← 優秀!
- C製品:2.5万円/時間
となると、B製品に注力すべきという戦略が見えてきます。
【応用】製品別損益計算書を作ってみよう
さらに精度を高めたい場合は、「製品別のPL(損益計算書)」をつくってみましょう。
製品別PLのフォーマット例
| 項目 | A製品 | B製品 | C製品 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,000,000 | 8,000,000 | 5,000,000 |
| 変動費 | 7,000,000 | 2,500,000 | 3,000,000 |
| 限界利益 | 3,000,000 | 5,500,000 | 2,000,000 |
| 固定費配賦 | 2,500,000 | 2,000,000 | 1,500,000 |
| 営業利益 | 500,000 | 3,500,000 | 500,000 |
こうすると、「どれが会社に利益をもたらしているか」が、よりクリアに見えてきます。
無料テンプレートのご案内(※別途CTAにて設計)
読者がすぐに実践できるよう、以下のようなテンプレートを案内するのもおすすめです。
- Excelテンプレ:製品別付加価値分析シート
- Googleスプレッドシート版:リンク共有型
- AIツール連携版:ChatGPTやNotionでの自動計算設定
製品別分析は「継続」が命
一度分析して終わりではありません。
毎月 or 四半期に一度は見直し、「どの製品が今、利益を出しているか」を把握する仕組みが必要です。
特に、以下のタイミングで更新することをおすすめします:
- 原価が大きく変動したとき(仕入価格・原材料高騰など)
- 人件費が増減したとき
- 新製品が追加・廃止されたとき
- 生産プロセスや営業方法が変わったとき
まとめ:フレームがあるから“勘”から“科学”へ変わる
中小企業でも、このシンプルなフレームを使えば、十分に製品別の収益性分析が可能です。
「うちは小さい会社だから難しい」と諦めずに、
まずは売上と原価、工数だけでも把握するところから始めてみてください。
それだけでも、今まで見えなかった「利益の源泉」が浮かび上がってくるはずです。
稼げない主力製品、利益を生むニッチ製品の見分け方
「売れてる製品ほど、赤字かもしれない」という現実
多くの経営者が抱いている常識。
「売上が高い=良い製品」
「よく売れている商品こそ、会社を支えている」
その常識は、数字の裏で崩壊している可能性があります。
実は、「売れているのに利益が出ていない」どころか、**“売るほどに赤字が増える主力製品”**が存在するケースが後を絶ちません。
その一方で、「売上は小さいが、利益率が高いニッチ製品」が会社の利益の7~8割を生んでいることもあります。
あなたの会社の「金の卵」は、見逃されていないか?
以下の表をご覧ください。
製品別の実態(分析例)
| 製品名 | 売上高 | 付加価値 | 工数 | 1時間あたり付加価値 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| A製品 | 1,000万 | 300万 | 180h | 1.7万円 | 主力製品、粗利低い、手間多い |
| B製品 | 500万 | 350万 | 60h | 5.8万円 | 利益の柱、ニッチ市場 |
| C製品 | 300万 | 150万 | 100h | 1.5万円 | 客の要望で継続しているが微妙 |
| D製品 | 200万 | 180万 | 40h | 4.5万円 | 顧客ロイヤルティ高、リピート多 |
一目瞭然です。
- B製品とD製品が「利益体質」な製品。
- A製品は売上は高いが、実質は“手間がかかる割に儲からない”。
売上を追うと、利益を失う。利益を追うと、資源が活きる。
多くの経営者が、「とにかく売上を増やそう」と考えます。
しかし、問題は「売上」ではなく、「粗付加価値 × 時間効率(工数)」です。
以下のような対比で考えてみてください。
| 比較軸 | A製品(主力) | B製品(ニッチ) |
|---|---|---|
| 売上高 | ◎ | △ |
| 利益額 | △ | ◎ |
| 工数効率 | ×(多い) | ◎(少ない) |
| 顧客単価 | △ | ◎ |
| 成長可能性 | △(価格競争) | ◎(高LTV) |
→ A製品ばかり売っていると疲弊し、B製品を伸ばせば利益が残る。
「ニッチな高収益製品」を見つける3つの視点
以下の観点で、自社製品を再確認してください。
1. 工数が少なく、回転率が高い製品
- 作業時間が少ない
- リードタイムが短い
- 在庫回転が早い
2. 顧客単価が高く、値下げ要求が少ない製品
- 値段の交渉がほとんどない
- BtoB向け、またはカスタム品で代替が少ない
- 高い専門性やノウハウを伴う
3. リピート率や紹介が多い製品
- 顧客満足度が高く、紹介や継続注文がある
- アフターフォローの手間が少ない
- 長期的な関係性を築ける商品群
逆に「危険な主力製品」の特徴とは?
売上の多い主力製品に、次のような傾向があれば注意が必要です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 価格競争に巻き込まれている | 値下げ合戦で粗利が削られる |
| 工数が多すぎる | 社員の時間が奪われて疲弊する |
| 顧客からの要求が多い | 納期・品質・仕様変更が頻繁に |
| 外注費・材料費が上昇している | 原価が上がり、利益が圧迫されている |
「でもやめられない」その気持ちが、赤字を生む
主力製品をやめるのは怖いものです。
- 社内でも「この商品が看板だから」と言われる
- 営業担当が「これが売れ筋だから」と外せない
- 工場のラインがそれ用に組まれている
…しかし、そこに経営資源を注ぎ続ける限り、高収益な製品を伸ばす時間もお金も奪われていきます。
「売上に貢献」よりも、「利益に貢献」している製品に注目せよ
そろそろ考え方を変えましょう。
売上シェアではなく、利益シェアで製品をランキングする
たとえば、以下のように表を再構成してみてください。
製品別利益貢献度ランキング
| 製品名 | 利益額 | 利益構成比 |
|---|---|---|
| B製品 | 350万 | 50% |
| D製品 | 180万 | 26% |
| A製品 | 50万 | 7% |
| C製品 | 30万 | 4% |
| その他 | 80万 | 13% |
→ 利益の76%を、BとDの「ニッチ製品」が支えている。
「やめる覚悟」が「利益体質」への第一歩
このあとのタスク⑤では「捨てる」戦略について詳しく解説しますが、
この段階で経営者がやるべきことは次の3つです。
優先アクション3つ:
- 製品別の利益構成比を算出する
→ Excel1枚で十分。売上ではなく、利益で見直す。 - 工数あたり付加価値の高い製品をランキングする
→ 社内時間の使い方を根本から見直す。 - 売上は多いが、利益を圧迫している製品をリストアップする
→ 改善策 or 撤退判断の準備。
まとめ:あなたの会社を支えているのは「売れている製品」ではなく「儲かる製品」
経営は、「何を売るか」以上に「何をやめるか」が重要です。
この製品別分析を通じて、自社の“真の利益源泉”を見抜き、
売上重視から利益重視の経営へシフトしてください。
次のパートではいよいよ、「捨てる意思決定」の実践編へ入ります。
捨てる決断が利益を生む:意思決定に活かす製品別分析の極意
「この製品、やめたらどうなるのか?」
多くの経営者が抱えるジレンマがあります。
- 「利益は少ないが、売上がある」
- 「赤字だが、取引先との関係上やめづらい」
- 「ラインの稼働率が下がるのが怖い」
その結果、何年も赤字製品を続けたまま、利益が出にくい体質から抜け出せない…。
これを打破するカギこそが、“戦略的撤退”という意思決定です。
【重要】「全製品のポートフォリオ」を作る
経営は「集中と選択」です。そのために必要なのが、製品群の全体像を俯瞰することです。
まずは以下のようなマトリクスを作成してみてください。
製品ポートフォリオマトリクス(付加価値 × 売上)
| 売上高:高 | 売上高:低 | |
|---|---|---|
| 付加価値:高 | 【★主力育成】利益柱 →注力・強化 | 【★高収益ニッチ】 →拡大施策検討 |
| 付加価値:低 | 【赤字量産ゾーン】 →改善 or 撤退 | 【撤退対象候補】 →優先的に除外 |
→ このマトリクスにより、**「残すべき製品・伸ばすべき製品・撤退すべき製品」**が明確になります。
「感情」ではなく「数字」で判断せよ
製品の撤退判断は、非常に難しいものです。
- 営業部門:「大事な顧客が買ってる」
- 製造部門:「これがあるからラインが回る」
- 経営者自身:「昔からの看板商品だからやめたくない」
…だからこそ、“数字という客観軸”で意思決定する必要があるのです。
判断のためのフレーム:「製品別経営資源貢献度」
以下の観点で、各製品を評価してみてください。
| 評価軸 | 観点 | 評価方法 |
|---|---|---|
| 収益性 | 付加価値額、1時間あたり利益 | 粗付加価値 ÷ 工数 |
| 安定性 | 顧客継続率、リピート率 | 過去12ヶ月の注文頻度 |
| 成長性 | 市場規模、競合優位性 | 業界情報・競合比較 |
| 戦略性 | 顧客ロイヤルティ、紹介力 | LTV(顧客生涯価値) |
| 再現性 | 他製品への応用性 | 設計・工程の共通性など |
「撤退」の選択肢は、意外と多い
撤退といっても、「完全にやめる」だけが選択肢ではありません。柔軟な戦略が可能です。
撤退パターン一覧:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 製品廃止 | 完全終了。顧客にも説明して撤退。 |
| 価格改定 | 利益が出るように値上げ。買う人だけ買ってもらう。 |
| 仕様変更 | 工数削減・共通部品化・工程短縮で利益体質に改善。 |
| 顧客選別 | 赤字顧客のみに提供停止。利益顧客には継続。 |
| 外注化 | 手間のかかる部分だけ切り出して外注。利益構造改善。 |
| セット化 | 他製品と組み合わせて、販売単価・利益を底上げ。 |
「撤退すると売上が落ちる」恐怖への対処法
撤退でよくある誤解がこちらです。
「やめると売上が落ちて、会社が傾くのでは?」
→ これは**“売上偏重の思い込み”**です。
実際には、赤字製品をやめることで…
- 工数が空く → 他製品に注力できる
- 資材コストが減る → キャッシュが増える
- 人材が疲弊しない → 離職防止・教育効果UP
- 戦略が明確になる → 組織が動きやすくなる
…といった間接的な利益が飛躍的に向上します。
撤退後の経営効果:事例で見るBefore/After
●事例:地方製造業A社のケース
| 項目 | 撤退前 | 撤退後 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1億円 | 8,000万円 |
| 営業利益 | ▲200万円(赤字) | +1,200万円(黒字) |
| 製品数 | 25製品 | 14製品 |
| 平均工数 | 120h/月 | 80h/月 |
| 社員の残業 | 常態化 | 大幅減 |
→ 製品数を約40%削減したことで、利益率・生産効率・社員満足度すべてが改善しました。
最終チェック:撤退判断の「5つの質問」
- この製品は、会社の利益に本当に貢献しているか?
- 他の製品にリソースを集中すれば、より高い収益が期待できるか?
- 顧客は、本当にこの製品を必要としているのか?
- この製品を続けることで、何を犠牲にしているか?
- 今後3年、この製品が成長する兆しはあるか?
→ 3つ以上「NO」であれば、撤退を本格的に検討すべきタイミングです。
まとめ:「やめる経営」が、あなたの会社を救う
経営において最も難しいのは、「捨てる決断」です。
しかし、それができた瞬間に、会社の利益体質は劇的に変わります。
- 伸ばす製品に集中する
- 儲からない製品はやめる or 見直す
- 数字に基づいた意思決定を習慣化する
このサイクルを継続することで、あなたの会社は**“選ばれる製品だけが残る、高収益企業”**へと進化していきます。
おわりに
あなたの会社を黒字体質に変える第一歩は、「何をやめ、何に集中するか」を明確にすることです。
製品別の採算性を可視化するだけで、あなたの会社の未来は大きく変わります。
- なんとなく売り続けていた赤字製品を削る
- 見過ごしていた高収益製品に営業を集中させる
- 工数・利益・再現性から判断できる意思決定フレームを導入する
これらを実践すれば、売上よりも「利益」が積み上がる経営へとシフトできます。
今すぐ行動に移さなければ現状は変わりません。
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