【完全解説】ホールディングスを作るべき?中小企業経営者が知っておくべきメリット・デメリット

目次
はじめに
近年、中小企業の間でも「ホールディングス(持株会社)」という経営形態が注目を集めています。
「ホールディングスって大企業のためのものじゃないの?」 「うちの会社には関係なさそう…」
そう考える方も多いかもしれません。しかし実際には、事業承継や経営の柔軟性向上、税制メリットなどの理由から、中小企業でもホールディングスを活用するケースが増えています。
たとえば、
✅ 事業承継:株式移転を活用すれば、税負担を抑えながらスムーズに後継者へ事業を引き継ぐことが可能。
✅ 経営の柔軟性:事業ごとに会社を分けることで、新規事業の展開やM&Aの選択肢を広げられる。
✅ 資金調達の効率化:グループ全体で財務管理を最適化し、銀行交渉を有利に進められる。
「もしかすると、うちの会社にもホールディングス化のメリットがあるかもしれない…」
そう思われた方は、ぜひ ホールディングス設立の7つの魅力 も参考にしてみてください。
本記事では、ホールディングスの基本概念から設立方法、メリット・デメリット、注意点までを分かりやすく解説します。
中小企業経営者の皆さんが、より最適な経営戦略を選択するための一助となれば幸いです。
ホールディングスとは?基本概念と仕組み
最近、中小企業の間でも「ホールディングス(持ち株会社)」という形態が注目を集めています。これまで大企業が採用するケースが多かったこの仕組みが、なぜ今、中小企業にも広がっているのでしょうか?
ホールディングスとは?
ホールディングス(持ち株会社)とは、簡単に言うと「他の会社の株を保有し、経営を管理する会社」です。自ら事業を行わず、グループ企業の持ち株を通じて経営の舵取りをすることが主な役割です。
例えば、A社という会社があり、その上にAホールディングスという会社を設立すると、A社の株主はAホールディングスになります。つまり、Aホールディングスの株を持つことで、間接的にA社を所有する形になります。
なぜこの形態が注目されているのか?
大企業では当たり前のように使われているホールディングスですが、近年では中小企業にも広がりを見せています。その理由の一つが「株式移転」や「株式交換」という手法の普及です。これにより、比較的簡単にホールディングスを設立できるようになりました。
さらに、経営の柔軟性向上や税制面でのメリット、事業承継対策としての活用など、ホールディングス化には様々なメリットがあります。
次に、具体的に 「ホールディングスを作る理由とは?」 について解説していきます。
ホールディングスを作る理由とは?
ホールディングスを設立する理由は企業によって異なりますが、主に以下の5つの目的が挙げられます。
1. 事業承継をスムーズにする
中小企業の経営者にとって、後継者へのスムーズな事業承継は大きな課題です。
ホールディングスを活用すると、株式をダイレクトに後継者へ譲渡するのではなく、ホールディングスを通じて間接的に所有する形を取ることが可能になります。
特に「株式移転」「株式交換」という手法を使うことで、税金の負担を抑えながら事業承継ができるというメリットがあります。
また、ホールディングスの社長を先代社長、事業会社の社長を後継者とすることで、先代社長がグループ全体の管理・アドバイザーとして関与する形を作れるため、円滑な経営のバトンタッチが可能になります。
2. 経営の柔軟性を高める
ホールディングスを設立すると、事業ごとに子会社を分けることができます。
例えば、
- A社:本業の製造業
- B社:新規事業の開発
- C社:不動産管理
といった形で事業を分割することで、リスクを分散しつつ、それぞれの事業に適した経営戦略を採ることができます。
3. 税制メリットを活用できる
ホールディングス化することで、企業グループ内の資金移動がスムーズになり、法人税の負担を軽減する効果が期待できます。
また、個人で事業を継承すると相続税や贈与税の負担が大きくなるケースがありますが、ホールディングスを活用することで税負担を最小限に抑えながら経営権を移行することも可能です。
4. 銀行との交渉を有利にする
中小企業では、経営者が直接銀行と交渉し、融資を受けるケースが一般的です。しかし、ホールディングスを作ることで、銀行との資金調達窓口を一本化する「グループファイナンス」 という手法が使えるようになります。
これにより、各事業会社が個別に銀行と交渉する必要がなくなり、資金調達を効率的に行えるようになります。
5. 新規事業やM&Aの選択肢を増やす
ホールディングスを作ることで、新しい事業を立ち上げる際に既存の会社とは切り離して管理することができます。
たとえば、新規事業を独立した法人(子会社)として運営し、成功すれば本体に統合、失敗すれば撤退しやすい仕組みを作ることができます。
また、M&A(企業買収)をする際にも、ホールディングスの下に新たな企業を迎え入れる形にすることで、経営統合をスムーズに進めることが可能になります。
ホールディングスの作り方と手法
ホールディングスを設立する方法はいくつかありますが、特に 「株式移転」 と 「株式交換」 という手法が一般的です。これらの方法を使うことで、資金を大きく投じることなくホールディングスを作ることが可能になります。
1. 株式移転とは?
「株式移転」 とは、既存の会社(事業会社)の上に新たに持ち株会社(ホールディングス)を設立する方法です。
手順:
- 既存の会社(A社)の株主が、A社の株をすべて新しく作るホールディングス会社に移転する。
- その代わりに、ホールディングス会社の株を株主に割り当てる。
- 結果として、A社の親会社としてホールディングスが設立される。
● ポイント:
- ホールディングスが100%子会社(A社)の株を持つことになる。
- 株式を売買するわけではないので、譲渡所得税や贈与税が発生しない。
- 新たな資本金を用意する必要がないため、銀行融資なしで設立可能。
2. 株式交換とは?
「株式交換」 は、既存の2つの会社(A社・B社など)を統合し、どちらかを親会社(ホールディングス)にする方法です。
手順:
- A社とB社が合意し、A社の株主が持っているA社の株をB社の株と交換する。
- B社がA社の100%親会社(ホールディングス)になる。
- A社の元株主はB社の株を持つ形になり、A社はB社の完全子会社となる。
● ポイント:
- 兄弟会社(A社・B社)を上下関係にするのに適した方法。
- 親会社とする会社をどちらにするか慎重に決める必要がある。
- 法務局への手続きだけでホールディングス化できる。
3. 新規設立によるホールディングス化
もう一つの方法として、新しくホールディングス会社を設立し、そこが既存の事業会社の株式を買い取る方法もあります。
ただし、この方法は 株の買い取り資金が必要 になるため、銀行からの融資が必要になるケースが多く、税制面でも「株式移転」「株式交換」より不利になりがちです。
どの方法を選ぶべきか?
✅ 事業会社が1つしかない場合 → 株式移転 で新しくホールディングスを作るのが一般的。
✅ 複数の会社を経営している場合 → 株式交換 で上下関係を作る方法が適している。
✅ 資金に余裕があり、M&Aを視野に入れる場合 → 新規設立 も選択肢。
ホールディングスのメリットとデメリット
ホールディングスを作ることで多くの利点がありますが、一方でデメリットもあります。ここでは、メリット・デメリットを整理し、ホールディングス化を検討する際の判断材料とします。
✅ ホールディングスのメリット
1. 事業承継がスムーズになる
ホールディングスを作ることで、株式を直接後継者に譲渡する必要がなくなり、税負担を抑えながら事業を引き継ぐことが可能 になります。
また、先代社長がホールディングスの社長に、後継者が事業会社の社長になることで、スムーズなバトンタッチができるのも大きな利点です。
2. 経営の柔軟性が向上する
事業ごとに会社を分割することで、各事業の責任範囲を明確にできます。
例えば、
- A社(本業) → 既存の事業を継続
- B社(新規事業) → 新しい試みを行う
- C社(不動産管理) → 会社の資産を管理
このように、リスクを分散しながら成長戦略を考えられます。
3. 税制メリットがある
ホールディングスを設立すると、企業グループ内での資金移動を効率化でき、税負担を軽減することが可能です。
例えば、
- 赤字の会社と黒字の会社の損益を相殺し、法人税負担を軽減 する
- 株式移転や株式交換を利用すれば、贈与税・譲渡所得税が不要
など、資金繰りや税務面での利点があります。
4. 資金調達がしやすくなる(グループファイナンス)
銀行交渉をホールディングスが一括で行うことで、事業会社ごとの資金調達リスクを分散できます。
各事業会社が個別に融資を受けるよりも、ホールディングスが銀行からまとめて資金調達し、各事業会社へ配分する方が有利な条件を引き出しやすい というメリットがあります。
5. M&Aや新規事業展開がしやすい
新しい会社を設立する場合、既存の事業と完全に切り離して管理できるため、リスクをコントロールしやすくなります。
また、買収した会社をホールディングスの傘下に入れることで、M&A後の統合がスムーズになる という利点もあります。
❌ ホールディングスのデメリット
1. 設立・運営コストがかかる
ホールディングスを設立するには、司法書士・税理士への依頼費用、登記費用などが発生 します。また、グループ全体での管理コストも増加する可能性があります。
2. 経営が複雑になる
ホールディングス化すると、
- グループ全体の経営方針を決める「ホールディングスの経営」
- 事業を実際に運営する「事業会社の経営」
と、2つの階層での意思決定が必要 になります。そのため、組織運営のルールをしっかり整備しないと、指示系統が混乱することも。
3. 事業ごとのバランスが崩れる可能性
事業会社が複数あると、業績が好調な会社と不調な会社が出てくることがあります。
- 黒字の会社の利益が、赤字の会社の補填に使われる
- 事業会社間の競争意識が薄れる
など、経営のバランスを崩すリスクも考慮する必要があります。
4. 銀行や税務署の理解を得る必要がある
特に中小企業の場合、銀行がホールディングスの仕組みに詳しくないこともあります。そのため、銀行との事前交渉をしっかり行い、理解を得ることが重要 です。
また、税制メリットを活かすためには、税務署に対して適正な説明と書類作成が求められる 点も忘れてはいけません。
まとめ
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| ✅ 事業承継がスムーズ | 後継者への引き継ぎが楽になる | 設立・運営コストがかかる |
| ✅ 経営の柔軟性向上 | 事業ごとに管理が可能 | 経営が複雑になる |
| ✅ 税制メリット | 法人税・相続税の軽減が可能 | 銀行や税務署の理解が必要 |
| ✅ 資金調達が有利 | まとめて資金調達できる | 事業会社間のバランスが崩れる可能性 |
| ✅ M&A・新規事業がしやすい | リスクを分散できる | - |
ホールディングスには多くのメリットがありますが、経営の複雑化やコストの増加などのデメリットも存在します。そのため、自社の経営戦略に本当に合っているかを慎重に検討 することが重要です。
次に、「中小企業がホールディングス化する際の注意点」 について解説します。
中小企業がホールディングス化する際の注意点
ホールディングス化には多くのメリットがありますが、実際に導入する際にはいくつかの注意点があります。中小企業ならではの課題を踏まえ、慎重に進めることが重要です。
1. 明確な目的を持つことが重要
「とりあえずホールディングスを作ってみよう」と考えてしまうと、後々組織運営が難しくなる可能性があります。
✅ ホールディングス化の目的を明確にする
- 事業承継のため?
- 経営の分業化のため?
- M&Aや新規事業のため?
- 税制メリットを活かすため?
目的によって最適な手法が異なるため、「なぜホールディングスを作るのか?」を明確にすることが第一歩 です。
2. 税務・財務の専門家と相談する
ホールディングスの設立は、税務・財務面での影響が大きいため、税理士・会計士・司法書士などの専門家と事前に相談することが必須 です。
✅ 税務上のポイント
- 株式移転・株式交換の際の税負担の有無 を確認する
- 法人税や相続税のメリットが本当にあるのか試算する
- ホールディングスの財務管理方法を決める
✅ 財務上のポイント
- 銀行からの融資が受けやすくなるのか、それとも不利になるのか
- グループ内の資金の流れをどう管理するか
特に、銀行との関係をどう維持するか は、ホールディングス化の成否を分ける重要なポイントです。
3. 銀行との事前交渉を行う
ホールディングス化を進める際には、必ず 銀行に事前相談 しておくことが重要です。
なぜなら…
✅ 会社の組織が変わると、銀行からの融資条件が変わる可能性がある
✅ ホールディングスの財務状況によって、信用力が変わることがある
たとえば、今までA社が銀行から融資を受けていたのに、ホールディングスが親会社になった途端、「ホールディングスの信用力で審査します」と言われることもあります。
銀行から「融資の条件が変わる」と言われないように、組織変更の前に必ず相談しておくこと が大切です。
4. 管理コストが増加することを理解する
ホールディングスを作ると、管理コストが増えます。
✅ 具体的なコスト例
- 法人登記費用(司法書士への依頼費用)
- 税理士・会計士の顧問料増加(ホールディングスの決算が増える)
- 事務手続きの増加(子会社の財務管理・決算処理が複雑化)
特に中小企業の場合、無駄な管理コストがかかると利益を圧迫する可能性がある ため、運営コストと実際のメリットを天秤にかけて慎重に判断しましょう。
5. 組織運営のルールを明確にする
ホールディングスを作ると、「誰が何を決めるのか?」が曖昧になりやすいので、組織のルールを明確にする 必要があります。
✅ 意思決定のルールを決める
- ホールディングスの社長(会長)と事業会社の社長の役割を明確にする
- 事業会社の経営判断をどこまでホールディングスが関与するのか決める
- 親会社(ホールディングス)と子会社の経営会議の頻度を決める
親会社と子会社の関係性が曖昧だと、スムーズな経営判断ができなくなるため、事前に役割を明確にすることが重要 です。
6. 事業承継対策として本当に適しているかを見極める
ホールディングス化は、事業承継の方法の一つとして有効ですが、すべての会社にとって最適とは限りません。
✅ ホールディングス化が向いているケース
- 兄弟会社を複数持っている
- 事業承継後も先代社長がグループ全体を管理したい
- 相続税や贈与税の負担を抑えながら株式を移転したい
✅ ホールディングス化が向いていないケース
- 単独の事業会社で完結している
- 銀行融資がホールディングス化によって不利になりそう
- 事業承継後に完全に後継者へ任せたい(先代が経営に関与しない方が良い)
ホールディングスが「本当に自社にとって最適な形なのか?」を専門家と相談しながら判断しましょう。
まとめ
ホールディングスを作る際の注意点をまとめると…
1️⃣ 目的を明確にする(なんとなく作らない)
2️⃣ 税理士・会計士・司法書士と事前に相談する
3️⃣ 銀行と事前交渉を行い、融資条件の変更リスクを確認する
4️⃣ 管理コストが増えることを理解し、コスト対策を考える
5️⃣ 親会社と子会社の役割・意思決定ルールを明確にする
6️⃣ 事業承継対策として本当に適しているか慎重に判断する
ホールディングスは 経営の柔軟性を高め、事業承継やM&Aをスムーズにする強力な仕組み ですが、一方で慎重な準備が必要です。
おわりに
ホールディングス(持ち株会社)は、かつて大企業のための経営手法と考えられていました。しかし、今では中小企業にとっても有力な選択肢の一つとなりつつあります。
本記事で解説したように、ホールディングス化には 事業承継の円滑化、経営の柔軟性向上、税制メリット、資金調達の最適化 など、多くの利点があります。一方で、管理コストの増加や経営の複雑化といったデメリットもあり、慎重な検討が必要です。
大切なのは、自社の経営戦略にとってホールディングス化が本当に最適な手段なのか? をしっかりと見極めること。
- 事業承継を考えているなら、税理士や財務の専門家と相談してみる。
- 銀行融資への影響を確認するために、金融機関と事前交渉をしてみる。
- 会社の未来を見据えて、どのような経営形態がベストなのか再検討する。
こうした準備を怠らなければ、ホールディングスは 会社の成長を加速させる強力な経営ツール となります。
経営環境が激しく変化する現代において、企業は常に進化し続ける必要があります。ホールディングスという選択肢を知り、適切に活用することで、皆様の会社がさらに飛躍することを願っています。

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