利益が出ているのにお金がない?バランスシートで読み解く経営の真実

目次
- 1 はじめに:その「黒字倒産」は、避けられたかもしれない。
- 2 なぜ「お金が足りない」と感じるのか?
- 3 バランスシート(B/S)の基礎を5ステップで理解する
- 4 :「経営体質診断シート」で読み解く、経営に効く指標とは?
- 5 バランスシートを「未来の経営判断」に使う方法
- 6 経営に数字を活かす社長の思考法
- 7 おわりに:数字に強い経営者は、倒れない。
はじめに:その「黒字倒産」は、避けられたかもしれない。
あなたは、こんな経験がありませんか?
「帳簿では黒字。でも、現金がない」
「利益が出てるはずなのに、なぜか資金繰りが苦しい」
「決算書はあるけど、正直よくわからない」
こうした悩みを抱える経営者は、決して少なくありません。
むしろ、日本全国の中小企業の**経営者の7割以上が、「数字に苦手意識がある」**と言われています。
でも、安心してください。
数字は“センス”ではなく“スキル”です。
そして、正しい順番で学べば、どんな社長でも“数字に強くなる”ことができます。
このブログで得られること
この記事では、経営において最も重要な“数字感覚”を、以下のステップで体系的に解説します。
- なぜ利益が出ているのにお金がないのか?
- バランスシート(B/S)の超入門講座
- 経営の健康診断「経営体質診断シート」の読み方
- 未来の資金繰りを設計する「目標B/S」活用法
- 社長が数字で意思決定するための思考法
どれも、これからの時代を生き抜く中小企業経営者にとって、欠かせない知識です。
対象読者はこんな方です
- 決算書や財務諸表が苦手な経営者
- 「利益は出てるのにキャッシュが残らない」経験がある方
- 銀行との付き合い方に不安がある社長
- 数字に基づいた経営判断を身につけたい方
- 将来の資金繰りや投資判断に自信を持ちたい方
ひとつでも当てはまるなら、ぜひ最後までお読みください。
このブログの信念:数字が変われば、経営が変わる。
経営の成否は、「勘」ではなく「数字」が決める時代です。
でも、それは冷たいことではありません。
数字は、あなたの感覚や経験を“裏付ける武器”になります。
社員を説得し、銀行を納得させ、会社の未来を明るくするための最強の味方なのです。
さあ、一緒に「数字に強い経営者」への第一歩を踏み出しましょう。
なぜ「お金が足りない」と感じるのか?
「利益が出ているのに、お金がない」──それ、あなたのせいではありません。
多くの中小企業経営者がこうつぶやきます。
「今期は黒字なのに、なぜか資金繰りが苦しい」
「確定申告では利益が出てた。でも、現金は減ってる…」
「銀行に利益出てるって見せたのに、融資が通らなかった」
実はこれは、決して「経営センスがないから」でも「運が悪かったから」でもありません。
それは、利益と現金の違いをきちんと理解していなかっただけなのです。
黒字倒産はなぜ起こるのか?
黒字倒産──これは、帳簿上は利益が出ているのに、実際には資金が足りずに倒産してしまう状態を指します。
これは決して珍しい話ではありません。むしろ、中小企業の倒産理由の7割以上は「資金ショート」、つまり「お金が回らない」ことが原因なのです(中小企業庁調べ)。
では、なぜそんなことが起こるのでしょうか?
それは「利益が出ている=お金が増えている」という勘違いが、経営判断のミスを引き起こしているからです。
「利益」と「現金」はまったくの別物
では、少しイメージしてみてください。
あなたの会社が、今月500万円の売上を上げ、300万円の仕入れをして、200万円の利益が出たとしましょう。
でも、その売上は掛け売り(ツケ)で、入金は来月。
一方、仕入れは現金払い。
このとき、今月の帳簿上は「利益200万円」ですが、実際に手元にある現金はマイナスですよね?
このように、会計上の利益と、現金の動き(キャッシュフロー)はまったく別の生き物です。
帳簿に書かれた「利益」は、現金が入ってきて初めて価値を持ちます。
社長の多くが見落とす“資金繰りの落とし穴”
経営者がつまずく代表的な資金繰りミスを以下にまとめます。
| 見落としがちな落とし穴 | 結果どうなるか? |
|---|---|
| 売上はあるが入金サイトが長い | 現金が枯渇する |
| 設備投資を現金一括で払ってしまう | 直後に運転資金が足りなくなる |
| 粗利益は高いが在庫が過剰 | 現金化できずキャッシュが詰まる |
| 売掛金の回収が甘い | 利益は出ても、現金が回らない |
| 納税・賞与・借入返済の「未来の支出」を見ていない | 一気に資金ショートする |
これらの共通点はすべて、「帳簿の数字(PL)」だけを見て経営判断しているということです。
あなたの経営は「PL偏重」になっていないか?
多くの中小企業では、PL(損益計算書)ばかり見て、
- 今月の売上は?
- 粗利益率は?
- 経費は抑えられたか?
といった数字だけで意思決定をしています。
しかし、PLでは見えないものがあります。
それが、現金の流れ(キャッシュフロー)、そして**会社の健康状態(バランスシート)**です。
これを見ずに経営するというのは、言うなれば「血圧と脈拍だけで人の健康を判断する」ようなもの。
見えない病が進行していても、気づけません。
「お金の見える化」=B/Sを読む力
ではどうすればいいか?
答えはシンプルです。
「B/S(バランスシート)」を見る習慣を持つこと。
バランスシートは、企業の「体質」を表す鏡です。
- どれくらいの資産を持っているか?(資産)
- どれくらい他人のお金に頼っているか?(負債)
- 自分のお金はどれだけあるか?(自己資本)
これらの情報を、たった1枚の表で把握できるのがB/Sなのです。
このシートを定点観測することで、**「いま会社の血液(資金)はどれだけあるか?」**がわかり、未来の資金ショートを防ぐことができます。
まとめ:お金が足りないのは、「見ていなかった」だけ
お金が足りない原因は、ビジネスが失敗したからでも、営業が悪いからでもありません。
「B/Sを見ていなかった」ことが原因なのです。
逆にいえば、今このブログを読んで「B/Sに注目しよう」と思えたなら、もうその瞬間から、あなたの経営は変わり始めています。
次のタスクでは、**「バランスシートって具体的にどう読むの?」**という疑問に答えるため、B/Sの5つのステップを実例で解説していきます。
バランスシート(B/S)の基礎を5ステップで理解する
バランスシートって、結局なんなの?
「バランスシートって、見てもよく分からない」
「税理士からもらってるけど、見るのは売上だけ」
……そんな声を、私は何百回と聞いてきました。
でも、安心してください。
バランスシートは、経営者にとって“資金の地図”です。
しかも、たった5つのステップを追うだけで、初学者でも「B/Sの意味」が腑に落ちるようになります。
ここでは実際の変化例(B/S①〜⑤)をもとに、「どう会社の状態が変わるのか」を追いかけながら、バランスシートを一緒に“体感”していきましょう。
Step 1:会社を始めたばかりのバランスシート(B/S①)
あなたが、事業のために土地を1,000万円で買いました。
資金は、銀行から5,000千円(=500万円)を借り、残りは自分のお金(資本金)です。
| 資産 | 負債・資本 |
|---|---|
| 土地:10,000 | 借入金:5,000 資本金:5,000 |
| 合計:10,000 | 合計:10,000 |
→ このように、**資産と負債+資本の合計は必ず一致します。**これが「バランスシート=Balance Sheet」の由来です。
ポイント:
- 土地は売上を生みません。まだ“お金を生む装置”はゼロ。
- 借金で始まっているので、資金繰りがタイトになるのは当然。
Step 2:土地を売ってお金に変えた状態(B/S②)
土地を売却し、預金5,000千円を得ました。
| 資産 | 負債・資本 |
|---|---|
| 預金:5,000 | 借入金:5,000 資本金:5,000 |
| 合計:10,000 | 合計:10,000 |
→ 資産の中身が「土地」から「預金」に変わっただけで、全体の金額は変わりません。
ポイント:
- 土地は現金化された=資産が流動的に
- この状態でやっと「運転資金」が生まれた
Step 3:仕入れをして商品に変換(B/S③)
預金で商品を仕入れた(例:5,000千円分)
| 資産 | 負債・資本 |
|---|---|
| 商品:5,000 預金:5,000 | 借入金:5,000 資本金:5,000 |
| 合計:10,000 | 合計:10,000 |
→ 仕入れにより、資産の一部が「商品」に変わりました。
ポイント:
- 現金が減り、商品という“在庫”を抱えた状態
- 商品は売らなければお金にならない=資金繰り注意!
Step 4:商品を販売し、利益を得た(B/S④)
商品(5,000千円)を11,000千円で売却し、利益6,000千円を得たとします(経費を引くと最終利益は500千円)。
| 資産 | 負債・資本 |
|---|---|
| 現金:10,500 | 借入金:5,000 資本金:5,000 利益:500 |
| 合計:10,500 | 合計:10,500 |
→ ここで初めて、「売上」→「利益」→「現金化」の流れが生まれました。
ポイント:
- 利益は「資本」の一部として加算される
- 現金残高が急増=資金繰りが改善
- ここでPL(損益計算書)が登場する(売上・仕入・経費)
Step 5:利益が自己資本として積み上がる(B/S⑤)
利益500千円が「資本」として内部留保されました。
| 資産 | 負債・資本 |
|---|---|
| 現金:6,000 売掛金:5,000 | 借入金:5,000 資本金:5,000 利益:1,000 |
| 合計:11,000 | 合計:11,000 |
ポイント:
- 売掛金=掛売上(後から現金化される見込み)
- 利益が蓄積され、自己資本が強化される
- 銀行や投資家が注目する「自己資本比率」がここに反映
【図解】5つのステップの変化まとめ
| ステップ | 状態 | 資産構成 | 資本変化 | 現金の動き |
|---|---|---|---|---|
| ①開始 | 土地購入 | 固定資産中心 | 資本金+借入 | なし |
| ②換金 | 土地→預金 | 流動資産化 | 変化なし | 手元資金増加 |
| ③仕入 | 商品購入 | 在庫化 | 変化なし | 減少 |
| ④売上 | 商品販売 | 現金増 | 利益発生 | 増加 |
| ⑤利益確定 | 利益反映 | 売掛・現金 | 自己資本増加 | 安定的な資金状態へ |
まとめ:バランスシートは「会社の健康診断書」
バランスシートの流れを見ると、「なぜ資金が足りないのか?」「なぜ利益が出ているのに苦しいのか?」が一目瞭然になります。
- 資産が流動的か?(お金に変わりやすいか)
- 利益が出ているか?(そして現金化されているか)
- 自己資本は積み上がっているか?(会社の体力)
これらを毎月見ていくだけで、あなたの会社の経営は格段に安定し、数字に強い社長へと変わっていけます。
次回は、**「この数字をどう判断する?」**という、経営判断の指標──「経営体質診断シート」の活用法に進みます。
:「経営体質診断シート」で読み解く、経営に効く指標とは?
バランスシートは、読めるだけでは意味がない。
B/Sを読めるようになった。
でも、読めるだけでは経営判断はできません。
なぜなら、
「良いのか、悪いのか、判断できないから」
です。
その判断軸を与えてくれるのが、今回紹介する「経営体質診断シート」です。
これは、企業の経営状態を定量的に分析するための指標セットで、特に中小企業経営において非常に有効な“財務のモノサシ”です。
「経営体質診断シート」とは?経営の健康診断シート
書籍に登場する「経営体質診断シート」とは、企業の財務分析を行う際の指標とその計算式、そして判断目安を一覧化したものです。
ざっくり言えば、
会社の「もうかる力」「お金まわりの強さ」「資金ショートの危険度」を数値で見える化する道具です。
経営体質診断シート:全体構造を理解しよう
ここで表の構造を簡潔に整理しておきます。
| 分類 | 指標名 | 計算式 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 収益性 | 総資本純利益率(ROA) | 純利益 ÷ 総資本 | 資産をどれだけ効率的に使えているか | 10%以上が理想 |
| 売上高純利益率 | 純利益 ÷ 売上高 | 売上のうち利益として残る割合 | 5%以上を目指す | |
| 効率性 | 総資本回転率 | 売上高 ÷ 総資本 | 資産がどれだけ回っているか | 1.5回以上が望ましい |
| 売掛金回転率 | 売上高 ÷ 売掛金 | 売掛回収のスピード | 高いほど◎ | |
| 棚卸資産回転率 | 売上高 ÷ 棚卸資産 | 在庫の回転スピード | 高いほど◎ | |
| 安全性 | 流動比率 | 流動資産 ÷ 流動負債 | 近い将来の支払いに耐えられるか | 150%以上が理想 |
| 固定比率 | 固定資産 ÷ 自己資本 | 設備投資が重すぎないか | 100%以下が健全 | |
| 自己資本比率 | 自己資本 ÷ 総資本 | 借金に頼らず経営できているか | 30%以上が目安 |
経営判断に使える!注目すべき「3つの黄金指標」
特に、初級〜中級の経営者がまず押さえるべきはこの3つ。
① 総資本純利益率(ROA)= 会社のもうかる力
ROA = 純利益 ÷ 総資本
この数値は、会社がどれだけ効率よく利益を出しているかを示します。
たとえば総資本が1億円で、年間の純利益が1,000万円ならROAは10%。
これは「資産を10%の利回りで運用している」イメージです。
目安:8〜10%以上で優良企業。5%以下なら改善が必要。
② 流動比率= 資金ショートの危険度チェック
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100(%)
流動資産は1年以内に現金化できる資産(預金・売掛金・在庫など)。
流動負債は1年以内に支払う義務のある負債(買掛金・短期借入など)。
この比率が低いと、支払期日までに現金が用意できないリスクがあります。
目安:150%以上が安全圏。100%を下回ると要注意。
③ 自己資本比率= 借金に頼らない体力の指標
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本 × 100(%)
銀行や金融機関が特に重視するのがこの数字。
自己資本比率が高いと、「この会社は安定していて潰れにくい」と評価されます。
逆に20%を切るようだと、借金頼りの経営という判断をされ、融資が難しくなることも。
目安:30%以上をキープしたい。
【図解】3指標でわかる、あなたの会社の“経営体質”
| 指標 | 良い状態 | 悪い状態 | 経営判断への影響 |
|---|---|---|---|
| ROA | 10%以上 | 5%未満 | 利益率 or 効率に問題あり |
| 流動比率 | 150%以上 | 100%未満 | 資金ショートの危険 |
| 自己資本比率 | 30%以上 | 20%未満 | 借入依存度が高い |
→ この3つを月次でチェックするだけで、倒産リスクを大きく減らすことができます。
応用編:その他の指標も経営改善に直結する
| 指標名 | 改善施策のヒント |
|---|---|
| 売上高純利益率 | 原価率見直し、経費削減 |
| 総資本回転率 | 不要資産の圧縮、在庫削減 |
| 棚卸資産回転率 | 在庫管理精度UP |
| 売掛金回転率 | 回収サイト短縮、与信管理強化 |
| 固定比率 | 設備投資の適正化、資本増強 |
まとめ:指標は「見る」だけでなく「動かす」ためにある
バランスシートや損益計算書は、ただの“結果”です。
でも、指標は“未来を動かすためのレバー”になります。
- 何を改善すれば利益が上がるか?
- どこを直せば資金ショートを防げるか?
- 銀行がどう見ているのか?
それらを見える化してくれるのが、経営体質診断シートに含まれる経営指標なのです。
バランスシートを「未来の経営判断」に使う方法
多くの社長が「過去の数字」で経営している。
決算書は過去の成績表。
でも、現実の経営は「未来」に向けて動いています。
にもかかわらず、多くの経営者はこのような状況に陥っています。
・決算が出るのは年に1回
・月次試算表も“結果”しか見ていない
・資金ショートや赤字は“気づいたときにはもう遅い”
これでは、未来の舵取りはできません。
必要なのは、「先を見る数字」です。
そのために活用すべきが、**“未来志向のバランスシート”**です。
目標バランスシートとは何か?
バランスシートを未来に使う最大の方法が、
「目標B/S」を作り、そこに向かって会社を運転する
という考え方です。
目標B/Sとは、「将来、こうありたい」という理想の財務状態を数字で具体化した設計図のことです。
たとえば、こんな未来像を描いてみる
【現状のB/S】
- 自己資本比率:18%
- 借入依存:高め
- キャッシュ比率:10%
【理想の目標B/S(12ヶ月後)】
- 自己資本比率:30%
- 借入依存度:大幅に削減
- キャッシュ比率:25%
ここで初めて、「何をすればその状態に近づけるのか?」という問いが生まれます。
経営計画とB/Sはセットで考える
B/Sを未来に使うためには、「売上目標」や「利益計画」だけでなく、以下の視点を数字で整理する必要があります。
| 項目 | 観点 | 質問例 |
|---|---|---|
| 売上 | 増加分は何が原資になる? | 売掛金が増えて資金が詰まらないか? |
| 設備投資 | 借入?内部留保? | 減価償却負担は耐えられるか? |
| 借入返済 | キャッシュフローに耐えられる? | 手元資金はどれくらい残るか? |
| 資本政策 | 増資?自己資本強化? | 株主構成や配当への影響は? |
これらを整理して「理想のB/S」に落とし込めば、経営戦略と財務戦略が一致します。
「たて」と「よこ」で数字をチェックする
バランスシートは、“たて”と“よこ”で見ることで初めて意味を持ちます。
たて:時系列での変化(3期比較)
| 年度 | 自己資本比率 | 流動比率 | 借入金残高 |
|---|---|---|---|
| 前期 | 22% | 130% | 4,500万円 |
| 今期 | 25% | 145% | 3,900万円 |
| 来期(目標) | 30% | 160% | 3,200万円 |
→ 数字がどう変化するかで、未来の状態が見える。
よこ:他社比較・理想値比較
| 指標 | 自社 | 業界平均 | 理想値 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 25% | 30% | 35% |
| 流動比率 | 140% | 150% | 160% |
| 売掛金回転率 | 4回 | 5回 | 6回 |
→ これにより「差分」が明確になり、「どこをどう改善するか」が具体化されます。
資金繰り表とB/Sはセットで使う
理想は、「未来のバランスシート」と「月次の資金繰り表」をセットで管理することです。
| 月 | 売上 | 入金 | 支出 | 差引 | 現金残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10月 | 800万 | 700万 | 680万 | +20万 | 400万 |
| 11月 | 850万 | 750万 | 710万 | +40万 | 440万 |
| 12月 | 900万 | 800万 | 750万 | +50万 | 490万 |
→ この現金残高が、B/Sの「預金」に反映されるわけです。
【テンプレート】月次で未来のB/Sを追うシート
こんなExcelテンプレートがあれば、社長はもっと経営しやすくなります。
| 月 | 自己資本比率 | 流動比率 | 借入残高 | 現金残高 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | 22% | 135% | 4,800万 | 320万 | — |
| 3ヶ月後 | 24% | 140% | 4,500万 | 360万 | 借入返済済 |
| 6ヶ月後 | 27% | 150% | 4,100万 | 410万 | 利益蓄積効果 |
| 12ヶ月後 | 30% | 160% | 3,600万 | 500万 | 目標達成 |
→ これを「月次報告書」に入れるだけで、社長の意思決定スピードが圧倒的に上がります。
まとめ:「未来を見る社長」が会社を伸ばす
B/Sは過去の記録ではありません。
**「未来を設計するための設計図」**です。
- 目標B/Sを描く
- 現在地と目標の差を把握する
- その差を埋めるアクションを計画する
これができれば、もはや資金繰りに怯える経営とは無縁になります。
経営に数字を活かす社長の思考法
経営において「数字は手段」であって、目的ではない。
数字に強い経営者。
多くの人が憧れます。でも、「数字が強い」って本当はどういうことでしょうか?
単に計算が早い?財務諸表が読める?エクセルが得意?
それらはテクニックの一部にすぎません。
真の「数字に強い経営者」とは、
“数字をもとに正しい判断をし、会社を動かせる人”
なのです。
「感覚経営」から「根拠経営」へ
多くの中小企業の現場で、こんな会話が飛び交っています。
- 「まぁ、こんなもんだろう」
- 「たぶん大丈夫だと思うよ」
- 「前もこれくらいで回ってたし」
……それ、本当に“思い込み”ではありませんか?
感覚で経営する時代は、すでに終わりました。
今求められるのは、**「数字による根拠ある判断」**です。
数字が読める社長は、3つの“なぜ?”を持っている
数字を活かす経営者は、常に「なぜ?」を数字で答えようとします。
① なぜ利益が出たのか?
→ 商品別の粗利率は?販管費とのバランスは?
② なぜ資金が減ったのか?
→ 売上が増えても、回収サイトが延びてないか?
③ なぜ銀行に評価されなかったのか?
→ 自己資本比率は?直近の返済比率は?
この“なぜ”を突き詰める姿勢こそが、「数字を活かす」第一歩です。
「数字を見る」は、「数字で意思決定する」に進化させる
数字を見るだけでなく、経営判断の拠り所として使うことが重要です。
例1:広告費をかけるべきか迷ったとき
- 粗利率が低い商品なら、CPA(顧客獲得単価)が割に合わない
- ROAS(広告費対効果)が過去データから割り出せる
→ 感覚ではなく、「この数字以上ならOK」と判断できる
例2:採用をするかどうか
- 売上増加分に対する人件費の比率は?
- 人件費増加後の損益分岐点はどこになるか?
→ 「人を増やせば売上が伸びる」は幻想かもしれない
数字を読む力は、社長の「言葉の力」にもなる
銀行との交渉、社員への説明、外注業者との契約──
どの場面でも、数字を使って語れる社長は信頼されます。
- 「借入の返済能力は自己資本比率で見てください」
- 「このプロジェクトのROIは12ヶ月でプラスに転じます」
- 「固定比率を下げる戦略として、今期は投資を抑えます」
こうした発言ができるようになると、会社の“格”が上がります。
数字に強くなるために、社長がやるべき3つの習慣
| 習慣 | 具体的アクション | 効果 |
|---|---|---|
| ① 毎月「数字を見る時間」を持つ | 月次のB/S、PL、資金繰り表をチェック | 感覚ではなくファクトで経営判断 |
| ② KPIを可視化して追う | 粗利率、回収日数、在庫回転率など | 経営改善の“レバー”を手にする |
| ③ 社内外に数字で語る | 社員に利益の構造を説明/銀行に資金戦略を共有 | 信頼と協力が得られるようになる |
数字が読める社長は「孤独」から脱却できる
経営者の多くは、「数字が分からない」という理由で誰にも相談できずに孤独になります。
でも、数字を見て話せるようになると、こうなります。
- 税理士と本音で話せる
- 社員に数字でビジョンを共有できる
- 銀行と対等に交渉できる
つまり、数字は社長の“武器”であり“通訳”なのです。
まとめ:「数字の使い方」は、最強の経営戦略になる
B/Sや経営指標は、ただの“会計資料”ではありません。
- 社長の思考を整理し
- 社員を納得させ
- 銀行を動かし
- 将来を変える
それが数字の力です。
そして何より、「数字に強くなる」ことは、経営の不安を減らし、自信を持って意思決定できるようになることです。
このブログで紹介してきた内容を実践すれば、あなたも必ずそのステージに立てます。
おわりに:数字に強い経営者は、倒れない。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
あなたがこのブログを最後まで読み切った時点で、すでに“数字に強くなる経営者”への一歩を踏み出しています。
なぜなら──
「数字が苦手」と言いながらも、数字を理解しようとする姿勢こそが、最も大切だからです。
経営にとって「数字」は、防具であり、武器でもある。
- 数字は、資金ショートを防ぐ「盾」になります。
- 数字は、利益を最大化する「剣」になります。
- 数字は、社員と未来を語る「言葉」になります。
つまり、数字が分かるだけで、経営の“守り”も“攻め”も強くなるのです。
最後に──明日からやるべき3つのアクション
今すぐ、以下の3つを実行してみてください。
- 自社のB/Sを5ステップで再現してみる
→ あなたの会社の“今”がどんな状態か、初めて見えてきます。 - 「経営体質診断シート」を作り、指標をチェック
→ 倒産リスク・利益体質・資金効率を定量的に把握できます。 - 「12ヶ月後の理想B/S」をイメージし、そこに向けた行動計画を立てる
→ 数字に基づいた“戦略的経営”が始まります。
あなたの会社は、数字で生まれ変わる。
経営は“感覚”だけでなく、“設計”で行う時代です。
- 「たぶん大丈夫」ではなく、「数字が証明しているから大丈夫」
- 「これくらいかな?」ではなく、「これだけの根拠があるからこうする」
そう言える社長になれたとき、
会社の未来は大きく変わり始めます。
数字を、あなたの言葉に変えていきましょう。
そして、数字で会社を守り、動かし、成長させていきましょう。

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