忙しいのに儲からない会社へ 経営者が知るべき売上と利益の構造

目次

はじめに

「売上は前年より伸びているのに、なぜか手元にお金が残らない」
「忙しいのに、利益が増えない」
「得意先も商品も増えているのに、経営がむしろ複雑になっている」

こうした悩みは、中小企業の現場では珍しくありません。むしろ、まじめに頑張っている会社ほど、この壁にぶつかります。売上はある。社員も動いている。取引先も増えている。ところが、経営者の頭の中にはいつも重たい不安がある。数字は悪くないはずなのに、なぜか将来に自信が持てない。そんな状態です。

――どうも、株式会社創和経営コンサルティング 代表取締役社長の古町(ふるまち)です。経営戦略、売上改善、利益体質づくりの現場で培ったノウハウと経験をもとに、この記事をまとめました。

この記事でお伝えしたいのは、とてもシンプルです。

会社は「売上の大きさ」だけでは良くなりません。
本当に見るべきなのは、次の5つです。

見るべき視点何を確認するか見落とすと起きること
売上の流れ本当に上向いているか、鈍っているか異変の発見が遅れる
市場での立ち位置同業の中で自社の存在感は上がっているか売上増でも競争力が落ちる
得意先の偏りどの顧客に依存しているか1社の不振で経営が揺れる
商品の偏りどの商品が利益を支えているか儲からない仕事に人手を取られる
在庫と営業資源どこに人・物・お金を投じるべきか忙しいのに利益が出ない

経営は、全部を同じように頑張ればよくなるものではありません。むしろ逆です。
何を伸ばし、何を減らし、何をやめるか。
この選択が、利益と将来を大きく左右します。

特に中小企業では、社長の時間、営業の人数、倉庫の広さ、資金の余裕、どれも限られています。だからこそ、資源配分を間違えると、すぐに利益が薄くなります。反対に、少し見方を変えるだけで、同じ会社でも利益体質に変わることがあります。

この記事では、そうした経営判断を感覚ではなく、「見える形」にして判断する方法を、できるだけわかりやすく整理します。

たとえば、次のような変化が起こせます。

  • 毎月の売上を「ただの数字」ではなく、異変をつかむ経営情報に変える
  • 得意先の数に振り回されず、本当に大切な顧客に集中できる
  • 売れているようで儲からない商品を減らし、利益の出る商品へ資源を寄せられる
  • 在庫をただ減らすのではなく、売上を増やすための在庫に変えられる
  • 社長の頭の中のモヤモヤを、行動に落とせる経営判断に変えられる

さらに本記事では、現代の中小企業経営に合わせて、生成AIの活用も実務目線で組み込みます。
難しいシステム開発の話ではありません。たとえば次のような使い方です。

経営課題生成AIでできること期待できる効果
売上推移の把握月次データを読み込ませて異変を要約気づきが早くなる
得意先分析依存度や回収条件を一覧化して優先順位を提案危険先の見落としを減らす
商品分析売上・粗利・回転率から整理候補を抽出商品整理が速くなる
営業改善優先訪問先や提案テーマを自動整理営業の質が上がる
在庫改善欠品頻度と売れ筋を突合して補充優先順位を出す機会損失を減らす

つまり、この記事は単なる読み物ではありません。
経営者が今日から使える判断基準を手に入れるための記事です。

これから5つのテーマに分けて、順番に整理していきます。

この記事の全体像

利益が残らない構造を見直したい方へ

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1. 売上が伸びていても安心できない理由

見かけの売上ではなく、流れと異変の兆候をどう読むかを整理します。

2. 得意先と商品の偏りを見抜く方法

売上の大半を支える顧客と商品を見つけ、危険な依存やムダを発見します。

3. 伸ばす商品、やめる商品をどう決めるか

感情ではなく、利益と将来性で商品を整理する考え方を解説します。

4. 在庫と営業資源の配分をどう変えるか

ただ減らすだけではなく、売上を増やすための在庫と営業配分を考えます。

5. 社長が現場で何を見て、どう動くべきか

最後は、社長自身の動き方です。机上の分析ではなく、実際に経営を変える行動に落とし込みます。

この記事が役立つ方

  • 売上はあるのに利益が残らない経営者
  • 顧客数や商品数が増え、管理が複雑になっている会社
  • どの取引先に力を入れるべきか迷っている営業責任者
  • 商品整理をしたいが、何を残して何を削るか判断できない方
  • 在庫を減らしたいが、欠品も怖い卸売業・小売業・製造業の方
  • 生成AIを経営改善に活かしたいが、何から始めればいいかわからない方

先に結論をお伝えします

経営改善の出発点は、気合いでも、根性でも、会議の回数でもありません。
「どこで稼ぎ、どこで失い、どこに未来があるか」を見えるようにすることです。

そのために必要なのは、次の3つです。

  1. 売上の数字を、流れで見る
  2. 顧客と商品を、偏りで見る
  3. 人・物・金の配分を、利益で見る

この3つがそろうと、社長の判断は驚くほど軽くなります。
逆に、これが見えていないと、会社は忙しいまま、利益だけが薄くなります。

ここから先は、その見方をひとつずつ実務に落としていきます。
次の章では、まず最初に、なぜ「売上が増えている」だけでは安心できないのかを掘り下げます。ここを間違えると、会社の異変に1年気づかないことすら起こります。

売上が伸びていても安心できない理由

「前年より売上は伸びました」

この一言を聞くと、少し安心したくなります。
社員にも前向きな空気が出ますし、社長自身も「ひとまず悪くはない」と感じやすいものです。

ですが、経営の現場では、売上が伸びていることと、会社が強くなっていることは同じではありません。

ここを取り違えると、あとで痛い目にあいます。
なぜなら、売上が増えていても、会社の体力や市場での立ち位置が落ちていることは普通にあるからです。

たとえば、次のような状態です。

  • 業界全体が大きく伸びているだけで、自社はその流れに乗っているだけ
  • 値引きで売上を作っていて、利益は薄くなっている
  • 特定の大口先に売れているだけで、依存度が高まっている
  • 売れている商品より、儲からない商品に人手を使っている
  • 上位商品の欠品が多く、本来取れた売上を逃している

つまり、売上は「結果」ではありますが、その中身を分解しないと意味がわからないのです。

売上の増加には、3種類ある

まず、売上増加をひとまとめに見てはいけません。
経営判断で使えるようにするには、少なくとも次の3つに分けて考える必要があります。

売上増加の種類中身経営上の評価
健全な増加収益性の高い顧客・商品が伸びているとても良い
見かけの増加市場全体の追い風で伸びているだけ注意が必要
危険な増加値引き・過剰受注・無理な対応で伸ばしている危険

ここで多いのが、2番目と3番目です。

社長が毎月の試算表を見て、「売上は前年超えだから大丈夫」と思っていても、実際には業界全体がもっと伸びていて、自社の存在感は下がっていることがあります。あるいは、無理な値引きや短納期対応で売上だけ作り、粗利率が下がっていることもあります。

数字は伸びているのに、競争力は落ちている。
この状態は、中小企業では珍しくありません。

本当に見るべきは「市場の中での立ち位置」です

経営者が毎月見なければならないのは、単なる売上高ではありません。
市場の中で、自社がどれだけ存在感を持っているかです。

言い換えると、「うちの会社は業界の中で強くなっているのか、弱くなっているのか」を見る必要があります。

たとえば、地域の住宅設備卸A社を想像してください。

  • 昨年売上:5億円
  • 今年売上:5億5,000万円
  • 伸び率:10%

これだけ見ると良さそうです。
ところが、地域全体の市場が15%伸びていたらどうでしょうか。

この場合、A社は売上こそ増えていますが、市場全体の伸びに負けています。
つまり、相対的には存在感が落ちているわけです。

このズレに気づかないと、社内では「好調」という空気が流れます。
でも外では、競合がもっと強くなっています。
この差は、1年では見えにくくても、3年たつとかなり大きくなります。

売上だけで安心する会社が危ない理由

売上だけで安心する会社には、いくつか共通点があります。

1. 業界全体の数字を見ていない

自社の月次売上は見ていても、業界全体の動きは見ていない。
これは本当に多いです。

しかし、経営は相対評価です。
自社だけで採点しても意味がありません。市場の中で見て、はじめて「勝っているのか」「負けているのか」がわかります。

たとえば、同業他社が新しい販路を作り、価格ではなく提案力でシェアを伸ばしているのに、自社は昔ながらの営業で前年超えを喜んでいる。この状態は、実はかなり危険です。

2. 値引きで売上を作っている

売上が伸びると、社内は前向きになります。
ただし、その伸びが値引きによるものなら話は別です。

たとえば、100万円の商品を95万円で売れば受注しやすくなります。
売上は立ちます。けれども利益は減ります。さらに悪いのは、営業現場に「安くすれば売れる」というクセがつくことです。

こうなると、営業は知恵ではなく値引きで戦い始めます。
競合も対抗して値下げします。
最後は誰も儲からない消耗戦になります。

売上が増えても、利益を削って増やした売上には価値が薄いのです。

3. 売れている先が偏っている

売上が増えていても、その中身が大口1社、2社に偏っていたら危険です。
「今は順調」でも、その取引先の方針変更ひとつで売上が一気に崩れます。

特に中小企業では、大口先との関係が深いほど安心感が出ます。
ですが、安心感と安全性は別です。

社長が確認すべきなのは、次のようなことです。

  • 売上上位5社で全体の何%を占めているか
  • そのうち1社が止まったら、固定費を何か月支えられるか
  • 入金条件は悪化していないか
  • その得意先は今後も伸びる業種か
  • その得意先に依存しすぎて、他の開拓が止まっていないか

売上増加の裏に依存度の上昇が隠れていると、会社は静かに不安定になります。

4. 売れ筋より、死に筋に手間を取られている

これは見落とされがちですが、かなり重要です。
会社の人手や時間は有限です。にもかかわらず、利益を生む商品より、ほとんど売れない商品や手間だけかかる案件に引っ張られている会社は多いです。

その結果、どうなるか。

  • 売れ筋商品の補充が遅れる
  • 利益の高い提案に時間を使えない
  • 倉庫が低回転在庫で埋まる
  • 営業が細かい案件対応に追われる
  • 社長の判断も細切れになり、重要案件に集中できない

つまり、売上があっても、資源配分が悪いと利益は残らないのです。

会社が本当に弱るのは「売上減少」より「立ち位置の低下」です

社長として怖いのは、売上が落ちることそのものではありません。
もっと怖いのは、市場での立ち位置がじわじわ落ちることです。

なぜか。
立ち位置が落ちると、景気が悪くなったとき、真っ先にしわ寄せが来るからです。

不況になると、取引先は仕入先や外注先を絞ります。
そのとき選ばれるのは、信頼が厚い会社、供給力が安定している会社、代えが利かない会社です。

反対に、次のような会社は後回しにされやすくなります。

  • 存在感が弱い
  • 提案力がない
  • 利益を削って売っているだけ
  • 価格以外の強みが見えない
  • 売上規模はあるが、選ばれる理由が弱い

つまり、平常時には見えにくい差が、不況時には一気に表面化します。

経営者が平時にやるべきことは、売上を作ることだけではありません。
「厳しい局面で選ばれる会社」になることです。

売上を見るときの正しい順番

売上をチェックするとき、ただ月次推移を見るだけでは足りません。
おすすめは、次の順番です。

ステップ1 売上総額を見る

まずは当たり前ですが、売上総額を見ます。
前年同月比、前月比、計画比を確認します。

ただし、ここでは「増えた」「減った」で終わらないことが大切です。
ここは入口にすぎません。

ステップ2 粗利額と粗利率を見る

次に、売上と一緒に粗利を見ます。

確認項目見る理由
粗利額会社に残る力を把握するため
粗利率値引きや採算悪化を早く見抜くため
顧客別粗利どの取引が本当に儲かっているか知るため
商品別粗利何を伸ばすべきか判断するため

売上が増えても粗利率が落ちていたら、危険信号です。
「たくさん売っているのに苦しい」会社は、ここに問題があることが多いです。

ステップ3 顧客別・商品別に分ける

売上は必ず分解します。

  • 顧客別
  • 商品別
  • 地域別
  • 営業担当別
  • 新規/既存別

全部を一度に細かくやる必要はありません。
まずは顧客別と商品別で十分です。

社長が見るべきなのは、平均ではなく偏りです。
経営の問題は、たいてい平均の中に隠れます。

ステップ4 市場や競合と比べる

ここでようやく外を見る段階です。
自社の数字だけでは判断できないからです。

たとえば、次を確認します。

  • 業界団体の統計
  • 地域市場の動き
  • 主要競合の出店・価格・商品政策
  • 仕入先や得意先から入る現場情報

細かい統計がなくても構いません。
大事なのは、自社だけの世界で判断しないことです。

ステップ5 異変の兆候を言語化する

数字を見て終わりでは、会議が増えるだけです。
社長は数字から「意味」を引き出さなければいけません。

たとえば、こうです。

  • 売上は増えているが、上位顧客依存が進んでいる
  • 数字は好調だが、粗利率低下で収益性が悪化している
  • 売れ筋の欠品が増えて、機会損失が起きている
  • 新規は取れているが、既存深耕が弱い
  • 市場全体より伸びが鈍く、競争力が落ちている

この言語化ができると、打ち手が見えてきます。

売上会議でよくある失敗

売上を見る会議は、多くの会社で開かれています。
ただ、残念ながら、会議の形だけ整っていて、経営判断につながっていないことも少なくありません。

よくある失敗は、次の3つです。

失敗1 数字の報告会で終わる

「A営業所は前年対比103%です」
「B商品は少し弱いです」
「来月は頑張ります」

これでは意味がありません。
必要なのは、報告ではなく判断です。

失敗2 原因が精神論になる

数字が悪いと、
「訪問件数を増やそう」
「もっと気合いを入れよう」
「根性が足りない」
という話になりがちです。

もちろん行動量は大切です。
ですが、構造的な問題を見ないまま気合いだけ上げても、同じことの繰り返しになります。

失敗3 全員に同じ指示を出す

本来は、

  • 伸ばす顧客
  • 維持する顧客
  • 見直す顧客
  • 整理する商品
  • 補充を厚くする商品
    を分けて対応すべきです。

ところが、多くの会社では「全部頑張る」になってしまいます。
これでは資源が薄まり、成果が出にくくなります。

中小企業が今日からできる実務チェック

ここまで読むと、「大事なのはわかった。でも何から見ればいいのか」と思うかもしれません。
そこで、まず社長が毎月見るべき基本チェックを整理します。

毎月確認したい5つの質問

質問YesならどうかNoならどうか
売上は市場平均以上に伸びていますか競争力は維持・強化の可能性相対的に弱くなっている可能性
粗利率は維持または改善していますか健全な伸びの可能性値引きや採算悪化の可能性
上位顧客への依存度は高すぎませんか安定しやすい1社依存リスクが大きい
売れ筋商品の欠品は起きていませんか機会損失を抑えられる売上を逃している可能性
人手は利益の出る案件に集中していますか生産性改善が見込める忙しいだけで利益が残りにくい

この5つを見るだけでも、経営の見え方はかなり変わります。

生成AIを使うと、売上の見方はもっと速くなる

ここで、現代の中小企業らしい実務に踏み込みます。
こうした分析は大事ですが、「忙しくてできない」が現実です。

そこで役立つのが、生成AIです。

たとえば、Excelの月次売上データを整えて生成AIに読み込ませると、次のような使い方ができます。

生成AIへの指示例

月次売上データをもとに、前年同月比、粗利率の変化、上位顧客依存度、商品別の偏り、異常値を要約してください。
そのうえで、社長が今月確認すべき論点を3つに絞って提示してください。

これだけでも、数字の読み解きがかなり速くなります。

さらに、当社のような伴走型支援では、事業者ごとの課題に合わせて、こうした分析を半自動化する経営管理アプリの形に落とし込むことも可能です。
たとえば、卸売業なら「得意先別の依存度と回収条件」、製造業なら「商品別粗利と欠品傾向」、小売業なら「売れ筋欠品と死に筋在庫」といった具合に、見るべき数字を業態ごとに変えられます。

大事なのは、AIを流行りものとして使うことではありません。
社長の判断を速く、正しくするために使うことです。

売上を「安心材料」ではなく「警報装置」に変える

経営者に必要なのは、売上の数字で気持ちを落ち着かせることではありません。
数字から異変を早くつかみ、先に動くことです。

売上は、安心材料にしてしまうと鈍くなります。
ですが、警報装置として使えば、会社を守る武器になります。

そのために覚えておきたい要点を、最後にまとめます。

この章のまとめ

  • 売上増加と会社の強さは同じではありません
  • 本当に見るべきは、市場の中での立ち位置です
  • 売上の中身を、粗利・顧客・商品に分解しないと判断を誤ります
  • 値引きで作った売上や偏った売上は、見かけほど安全ではありません
  • 売れ筋欠品や死に筋への過剰対応は、利益を静かに削ります
  • 毎月の数字は、報告用ではなく判断用に使うべきです
  • 生成AIを使えば、分析の初動を速め、社長の意思決定を助けられます

売上が伸びていても安心できない理由は、ここにあります。
会社を本当に強くするには、売上の「大きさ」ではなく、売上の質と構造を見なければいけません。

次の章では、その構造をさらに深掘りします。
具体的には、得意先と商品の偏りをどう見抜くかです。経営の多くの問題は、ここを見れば驚くほどはっきりします。社長の「なんとなくそう思っていた」が、数字で確信に変わる章です。

得意先と商品の偏りを見抜く方法

社長が会社の数字を見るとき、最も危ない思い込みのひとつがあります。
それは、**「売上は全体で均等にできているはずだ」**という感覚です。

実際には、そんなことはほとんどありません。

多くの会社では、売上の大半はごく一部の得意先、ごく一部の商品によって支えられています。反対に、得意先の数や商品の点数は多くても、そのかなりの部分は売上への貢献が小さい、あるいは手間の割に儲からないことが少なくありません。

ここを見抜けるかどうかで、経営の打ち手は大きく変わります。

なぜなら、偏りを知らないまま経営すると、社長は次のような錯覚に陥るからです。

  • 得意先が多いほど安定していると思い込む
  • 商品点数が多いほど強い会社だと思い込む
  • 全部のお客様を同じように大切にしようとして資源が薄まる
  • 売れている商品より、ほとんど動かない商品に倉庫や人手を取られる
  • 利益を支える上位顧客や上位商品が、実は欠品や対応不足で取りこぼされている

つまり、偏りを知らない経営は、頑張り方を間違える経営になりやすいのです。

会社の売上は、だいたい「偏っている」

まず前提として覚えておいていただきたいことがあります。
売上は、きれいに均等には広がりません。現場では、かなり偏ります。

ある会社では、上位半分の得意先や商品で売上の95%近くを作り、残りの半分で5%しか作れていない、というような構造が起こります。
また、商品点数は多くても、ごく一部の商品で売上の大半を占め、残りの商品は倉庫を埋めるだけ、というケースも珍しくありません。

この偏り自体は異常ではありません。
問題は、偏っている事実を知らずに、資源配分だけ平等にしてしまうことです。

たとえば、売上の大半を支える得意先と、年に数回しか買わない得意先に、ほぼ同じ営業の手間をかけていたらどうなるか。あるいは、毎月動く定番商品と、ほとんど動かない商品を同じ熱量で在庫管理していたらどうなるか。答えは簡単です。会社の力が薄まります。

偏りを見るときの基本はABC分析です

こうした偏りを見るために便利なのが、ABC分析です。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、やることは単純です。

売上の大きい順に、

  • 得意先を並べる
  • 商品を並べる

そして、

  • 上位10
  • 上位50%
  • 上位80%
  • 上位95%
  • 上位98%
    といった区切りで、どこまでで売上の大部分が作られているかを見ていきます。

これだけで、会社の構造がかなり見えてきます。

ABC分析でわかること

見る対象わかること経営上の意味
得意先別売上どの顧客が会社を支えているか営業の優先順位が決まる
商品別売上どの商品が稼ぎ頭か在庫・仕入・販促の重点が決まる
得意先別粗利売上ではなく利益の源泉見かけ倒しの取引を見抜ける
商品別粗利売れても儲からない商品を把握商品整理の判断材料になる
累計構成比偏りの強さ資源配分の歪みを発見できる

ここで大切なのは、表を作ることが目的ではないということです。
表は、偏りを読み、どこに手を打つかを決めるために使います。

得意先の偏りで見るべき3つの危険

得意先の偏りを見たとき、社長が注目すべき危険は大きく3つあります。

1. 1社依存が強すぎる

一番わかりやすい危険です。
1社、あるいは上位数社への依存度が高すぎると、会社は外から見るより不安定です。

実務では、売上1位の得意先が総売上の3割を超えるようなら、かなり神経質に見た方がいいです。売上シェアが高すぎる状態は、たとえ優良先でもリスクになります。

理由は簡単です。

  • 担当者が変わる
  • 仕入方針が変わる
  • 相見積もりが増える
  • 支払条件が厳しくなる
  • 内製化や他社乗り換えが起きる

こうした変化があったとき、会社全体が大きく揺れるからです。

2. 小口先に手間をかけすぎている

得意先数が多い会社で、よくある問題です。
売上構成を調べると、下位の多数の得意先で売上はわずかしかないのに、営業や配送や事務の手間はかなり使っている、ということがあります。

なぜこうなるのでしょうか。
答えは、人は売上高ではなく「件数」に引っ張られやすいからです。

営業は得意先の数が多いほど訪問先が増えます。
受注事務は件数が多いほど処理が増えます。
配送も小口・多頻度になるほど非効率になります。

つまり、小さな取引先がたくさんある状態は、見た目の安心感のわりに、会社の体力を削りやすいのです。

3. 将来性のない先まで抱え込んでいる

ここは大事です。
小口先が悪いのではありません。問題は、伸びる見込みがない先まで惰性で抱え続けることです。

一方で、今は小さいけれど成長性が高い先、新規でまだ取引が浅い先は、簡単に切るべきではありません。

つまり、社長がやるべきことは単純な切り捨てではなく、次のような分類です。

分類特徴基本方針
最重要先売上・粗利・将来性が高い深耕する
育成先今は小さいが将来性あり計画的に育てる
維持先一定の採算があり安定効率運用する
見直し先採算が悪い、条件が重い値上げ・条件変更を交渉する
整理候補将来性が乏しく手間が重い縮小・撤退を検討する

この「分ける力」が、社長の経営力です。

商品の偏りは、もっと見逃されやすい

得意先の偏りは、まだ社長もイメージしやすいです。
ですが、商品の偏りは、さらに見落とされがちです。

なぜなら、商品点数が多くなると、全部を感覚で把握するのが難しいからです。
その結果、次のようなことが起こります。

  • 動かない商品が倉庫を占領する
  • 売れ筋商品の在庫が足りない
  • 新商品を増やしすぎて整理が追いつかない
  • 死に筋商品を「いつか売れるかも」で残してしまう
  • 営業が儲かる商品ではなく、説明に時間がかかる商品に引っ張られる

実際、商品数は多いのに、売上の95%はその一部の商品で作られているケースがあります。それにもかかわらず、倉庫の大半は低回転商品に占められている、という逆転現象が起きやすいのです。

これは、かなりもったいない状態です。

商品の偏りを見るときの実務ポイント

商品分析では、単に売上順に並べるだけでは足りません。
少なくとも次の4つで見ると、かなり判断しやすくなります。

1. 売上高

まずは基本です。
どの商品が売上を作っているかを見ます。

2. 粗利額・粗利率

売れていても儲からない商品があります。
逆に、売上規模は小さくても粗利が厚い商品もあります。

3. 在庫回転

回転が悪い商品は、倉庫と資金を使います。
売れない在庫は、静かに資金繰りを悪くします。

4. 将来性

今は小さいが伸びそうな商品か。
逆に、今は売れていても下り坂に入っている商品か。
ここまで見ないと、整理の判断を誤ります。

偏りを読むと、現場のムダがはっきり見える

ABC分析のいいところは、社長の「何となく」を数字で確かめられることです。

たとえば、こんな発見が起きます。

  • 売上のわずかな部分に、営業工数のかなりを使っていた
  • 上位商品の欠品が多く、売上機会を逃していた
  • 低回転商品が倉庫を圧迫し、売れ筋を置けなくなっていた
  • 小口先向けの特別対応が、利益を食っていた
  • 営業が件数対応に追われ、本当に伸ばすべき先に時間を使えていなかった

この発見は、社長にとってかなり大きいです。
なぜなら、問題が「努力不足」ではなく、構造の問題だとわかるからです。

「全部大事にする」が会社を弱くすることもある

ここは少し耳が痛い話ですが、重要です。

中小企業の社長は、まじめな方ほど「全部のお客様を大事にしたい」「扱っている商品をなるべく減らしたくない」と考えます。気持ちはよくわかります。実際、その誠実さが会社の信頼を作ってきた面もあるでしょう。

ですが、経営の世界では、全部を同じように大事にすると、結果的に本当に大事なものを守れなくなることがあります。

たとえば、

  • 上位顧客への訪問や提案が薄くなる
  • 売れ筋商品の補充が遅れる
  • 儲からない特注や小口配送が増える
  • 社員が疲れ、改善する余力がなくなる
  • 社長がいつも細かい判断に追われる

こうなると、会社はやさしいようでいて、実は弱いです。

大切なのは、乱暴に切ることではありません。
重要度に応じて、対応の濃さを変えることです。

得意先と商品の偏りを、どう判断に変えるか

偏りを見つけても、行動につながらなければ意味がありません。
そこで、社長が実務で使いやすい判断の流れを整理します。

ステップ1 すべてを並べる

まずは得意先も商品も、売上順に全部並べます。
ここで「上位だけ」ではなく、「下位も含めて全部」見ることが大事です。

ステップ2 累計構成比を出す

上位10、上位50%、上位80%、上位95%を確認します。
どこで売上の大半が作られているかを見ます。

ステップ3 上位と下位で工数差を比べる

売上の比率だけでなく、

  • 営業訪問回数
  • 見積件数
  • 配送回数
  • 問い合わせ対応
  • クレーム頻度
    なども並べると、資源配分の歪みが見えます。

ステップ4 将来性で色分けする

下位だから即整理ではありません。
成長性があるか、戦略的な意味があるかで分けます。

ステップ5 対応方針を変える

ここで初めて意思決定です。

  • 上位得意先は深耕
  • 小口でも有望先は育成
  • 低採算先は条件見直し
  • 惰性取引は縮小
  • 死に筋商品は整理候補
  • 売れ筋商品は欠品防止を優先

この順番なら、感情論になりにくいです。

社長が現場で確認したい質問

ここでは、すぐ使える形に落とします。
会議や幹部面談で、そのまま使える質問です。

得意先についての質問

  • 売上上位10社で全体の何%を占めていますか
  • 売上上位先ほど、訪問頻度や提案件数は十分ですか
  • 下位の小口先に、営業や配送の手間をかけすぎていませんか
  • 条件の悪い先を「昔からの付き合い」で残していませんか
  • 今は小さいが、伸びそうな先はどこですか

商品についての質問

  • 売上上位20品の欠品は起きていませんか
  • 売上下位の商品が倉庫を圧迫していませんか
  • 新商品を増やす一方で、古い商品が残り続けていませんか
  • 粗利の薄い商品に営業が時間を使っていませんか
  • 本当に残すべき商品と、整理すべき商品の基準は明確ですか

この質問をするだけでも、現場の空気はかなり変わります。
「全部を同じように回す」発想から、「選んで集中する」発想に変わるからです。

生成AIを使うと、偏りの発見はさらに速くなる

ここでも生成AIは役立ちます。
ABC分析自体はExcelでもできますが、そこから示唆を引き出すのが大変です。

たとえば、得意先別売上表・粗利表・訪問回数を整えて生成AIに読み込ませると、次のような指示ができます。

指示例1 得意先分析

得意先別の売上、粗利、訪問回数、回収条件をもとに、
重点深耕先、育成先、条件見直し先、整理候補に分類してください。
その理由も簡潔に示してください。

指示例2 商品分析

商品別の売上、粗利率、在庫日数、欠品回数をもとに、
売れ筋強化商品、利益改善商品、縮小候補、整理候補を抽出してください。
倉庫と資金への影響もコメントしてください。

こうした形なら、社長は「数字の集計作業」ではなく、「意思決定」に時間を使えます。

さらに、当社の支援では、業種や課題ごとに見たい指標を変えたオーダーメイド型の生成AI活用も可能です。
たとえば、地域密着の卸売業なら得意先別の配送効率や回収条件、食品製造業なら商品別の回転率とロス率、住宅関連事業なら案件別粗利と担当者工数など、会社ごとに見るべき偏りは違います。

つまり、生成AIの価値は「何でも答えること」ではありません。
自社に必要な偏りを、すばやく見つけて動けることにあります。

偏りを見抜く会社だけが、次の一手を打てる

得意先と商品の偏りを見抜けるようになると、社長の景色は変わります。

今までは、

  • 顧客数が多いから安心
  • 商品数が多いから強い
  • 全部大事にしていれば何とかなる

と思っていたものが、実は違ったとわかります。

本当に大事なのは、

  • どの顧客が利益と未来を支えているか
  • どの商品が会社の体力を作っているか
  • どこに人・物・金を厚く張るべきか
    を明確にすることです。

偏りは、悪いものではありません。
むしろ、偏りがあるからこそ、集中ができます。
問題は、その偏りを知らないことです。

この章のまとめ

  • 売上は均等ではなく、たいてい一部の得意先・商品に偏ります
  • ABC分析を使うと、その偏りを見える化できます
  • 得意先の偏りでは、1社依存、小口先への過剰対応、将来性のない先の抱え込みが危険です
  • 商品の偏りでは、低回転商品の倉庫占有と売れ筋欠品が起きやすいです
  • 「全部大事にする」ではなく、重要度に応じて対応の濃さを変えることが必要です
  • 生成AIを使えば、偏りの発見から分類、優先順位づけまで速くできます

次の章では、ここからさらに一歩進めます。
偏りが見えたあとで、社長が必ずぶつかる問題があります。
それが、**「何を伸ばし、何をやめるか」**です。

ここは感情が入りやすく、社内でももめやすいところです。
ですが、ここを曖昧にすると、会社はずっと古い仕事を抱えたまま、新しい利益の種を育てられません。次は、その判断をどう行うかを実務目線で整理します。

伸ばす商品、やめる商品をどう決めるか

経営の現場で、社長が最も迷いやすい判断のひとつがあります。
それが、**「この商品を残すか、やめるか」**です。

人は、不思議なほど「増やす判断」より「やめる判断」に感情が入ります。
新商品を増やすときは前向きな気分になります。
けれど、昔から扱ってきた商品をやめる、売れない品番を廃番にする、利益の薄い特注を断る、となると急に空気が重くなります。

  • 長年のお客様がいるから
  • 少しは売れているから
  • いつか伸びるかもしれないから
  • うちの特色だから
  • 切ったら売上が落ちそうだから

こうした理由が並びます。
もちろん、全部が間違いとは言いません。
ですが、ここで判断を曖昧にすると、会社は古い荷物を背負ったまま走ることになります。

そして経営では、背負う荷物が多い会社ほど、動きが鈍くなります。

商品数が多い会社ほど、強いとは限らない

商品点数が多いと、一見すると品ぞろえが豊富で強そうに見えます。
「何でもある」「細かい要望にも応えられる」という印象も出ます。

ですが現実には、商品数が増えるほど次のコストが静かに積み上がります。

  • 在庫管理が複雑になる
  • 仕入先や発注ロットが増える
  • 倉庫スペースが必要になる
  • 営業や事務が覚えることが増える
  • 見積や問い合わせ対応が細かくなる
  • 売れない在庫が残りやすくなる
  • 売れ筋への集中が弱くなる

つまり、商品数の多さは、売上の可能性でもありますが、同時に非効率の温床にもなります。

しかも実際には、商品を全部抱えているわりに、売上の大半はごく一部の商品で作られているケースが多いです。

この現実を見ずに「商品は多い方がいい」と考えると、会社はすぐに重たくなります。

商品を残すかやめるかは、売上だけでは決められない

ここで大事なのは、商品整理を「売上順だけ」でやらないことです。

売上だけを見ると、判断を誤ります。
なぜなら、商品には少なくとも4つの視点があるからです。

判断軸見る内容ありがちな誤解
売上規模どれだけ売れているか売れていれば残すべき
収益性粗利額・粗利率はどうか売上が大きい商品は儲かる
将来性伸びる余地があるか今弱い商品は不要
資源効率人手・在庫・設備を食いすぎていないか商品があるだけなら負担は少ない

この4つで見ないと、売上はあるけれど儲からない商品、今は小さいけれど将来の柱になる商品、社内の手間ばかり増やす特殊品などが混ざってしまいます。

商品は「今の稼ぎ」と「未来の稼ぎ」で分けて考える

商品整理で失敗する会社は、商品を一色で見ています。
全部を「売れているかどうか」だけで評価してしまうのです。

でも本当は、商品には役割の違いがあります。
実務では、次のように考えると整理しやすくなります。

商品タイプ特徴基本方針
主力商品今の売上と利益を支える欠品防止・集中強化
安定商品大きくは伸びないが一定に売れる効率よく維持
成長商品今は小さいが伸びる可能性が高い優先投資する
斜陽商品過去は売れたが勢いが落ちている段階的に縮小
特殊商品一部の顧客向けで手間が大きい条件付きで見直す
惰性商品理由なく残っている整理候補

PDFでも、商品の収益性や将来性を見たうえで、商品ごとの方針を明確にする必要があると示されています。

この考え方のよいところは、単純な「残す・切る」ではなく、商品ごとに扱い方を変えられることです。

社長がまず捨てるべきは、「全部残したい」という気持ちです

ここはかなり重要です。
多くの会社で商品整理が進まない原因は、分析不足より、感情です。

たとえば、次のような言葉が出てきます。

  • この商品は創業当時からある
  • この取引先のために必要だ
  • うちの個性だから外せない
  • これをやめたら売上が減る
  • せっかく開発したのにもったいない

どれも気持ちはわかります。
ですが、経営判断としては危険です。

なぜなら、過去の思い入れは、未来の利益を保証しないからです。

PDFにも、会社が自社の特色だと思い込んでいた商品が、実際には収益性の低い特殊品だった例が示されています。
これは、どの業種でも起こります。

たとえば、地元向けの食品卸で「昔から扱っている特殊な品番」、建材店で「ごく一部の職人しか使わない部材」、印刷会社で「毎回仕様が違う小ロット商品」、制服販売で「採算の合いにくい別注対応」などです。

社長の愛着と、会社の収益性は別です。
ここを分けて考えられるかどうかで、経営の質が変わります。

売れ筋なのに力を入れていない会社は多い

もうひとつ、商品判断でよくある失敗があります。
それは、本来伸ばすべき商品に、十分な資源を入れていないことです。

特に、まだ売上規模は小さいが、伸びる兆しがある商品です。
こうした商品は、本来なら社長が率先して伸ばすべき対象です。

ところが現場では逆のことが起こりがちです。

  • 生産体制が整っていないから後回し
  • 営業資料がまだ弱いから様子見
  • 売上が大きい既存商品を優先してしまう
  • 欠品が怖いので積極販売を止める
  • 新人に任せて本気で育てない

この結果、未来の柱になるはずの商品が育たず、過去の延長線だけで会社が回ってしまいます。

つまり、商品戦略で重要なのは、今売れているかだけではありません。
将来の占有率を取りにいける商品かどうかです。

伸ばす商品は、社長が決めて、資源も先に寄せる

成長商品を伸ばすには、ただ「期待している」と言うだけでは足りません。
実務では、先に資源を寄せる必要があります。

PDFでも、将来性のある商品には、新規の資源、しかも質のよい資源を優先投入することが重要だとされています。

中小企業でいう「質のよい資源」とは、たとえば次のようなものです。

  • 営業の中でも提案力が高い担当者
  • 見積・販促・サンプルなどの支援時間
  • 在庫の優先確保
  • 仕入先との条件交渉
  • 現場改善の優先順位
  • 社長の直接関与

ここを間違えると、将来性のある商品が「いい商品だけど育たなかった」で終わります。

一方で、伸びない商品に人手や設備を残し続けると、会社は未来に投資できません。

やめるべき商品の見分け方

では、やめる候補はどう見分ければよいのでしょうか。
実務では、次の条件が複数当てはまる商品は、かなり強い整理候補です。

整理候補になりやすい商品

  • 売上が小さい
  • 粗利率も低い
  • 在庫回転が悪い
  • 受注が不安定
  • 問い合わせや特注対応が多い
  • 特定顧客しか買わない
  • 今後の伸びが見込みにくい
  • 売れ筋商品の邪魔をしている

PDFでも、限られた用途や得意先しか持たず、収益性の悪い特殊品は整理対象になりやすいと示されています。

ここで大切なのは、売上がゼロになるまで待たないことです。
売れなくなってからやめるのでは遅いです。
低採算・低回転・低将来性の段階で、縮小や廃番の準備を始める必要があります。

商品整理は、いきなり全部切らなくていい

商品整理というと、極端な話になりやすいです。
「そんなに切ったら売上が落ちる」「取引先が離れる」と不安になります。

ですが、実務では段階的に進めれば大丈夫です。

たとえば、次のような方法があります。

商品整理の進め方

段階具体策ねらい
第1段階新規仕入れ停止在庫を増やさない
第2段階追加提案をやめる売上依存を下げる
第3段階受注条件を見直す採算を守る
第4段階代替品へ誘導する顧客離脱を防ぐ
第5段階廃番・終売を告知する商品構成を軽くする

つまり、整理は「突然切る」ではなく、計画的に薄くするでもよいのです。

売上5%のために商品点数の半分を抱えるのは危険です

商品構成の歪みは、実際にはかなり極端です。
PDFでも、商品アイテムの多くを占める下位群が、売上ではごくわずかしか作っていない例が示されています。

これは中小企業でも非常によくあります。

たとえば、

  • 800品番あるが、上位120品番で売上の85%
  • 1,500SKUあるが、上位200SKUで粗利の90%
  • 倉庫の棚の半分を低回転品が占めている
  • 年に1回しか動かない品番が大量に残っている

この状態で「全部必要だ」と言うのは、かなり危険です。

商品点数が多いほど、社長は安心感を持ちやすいです。
ですが会社にとっては、安心ではなく固定化です。
棚、資金、注意力、人手が、売れない商品に取られてしまうからです。

「売れ筋をもっと売る」ほうが、たいてい先です

商品整理を迷ったとき、社長に覚えておいてほしいことがあります。
それは、売れない商品を無理に残すより、売れる商品をもっと確実に売るほうが先だということです。

これは当たり前のようでいて、現場では逆になりがちです。

  • 売れない商品を何とか売ろうと会議する
  • 低回転品の在庫処分に時間をかける
  • 特殊品の見積にベテランが張りつく
  • 死に筋の理由探しばかりする

一方で、

  • 上位商品の欠品対策
  • 提案資料の強化
  • 販促の集中
  • 売れ筋の定番化
  • 顧客ごとの導入拡大
    は後回しになります。

これは順番が逆です。

経営は、弱いところを全部救うゲームではありません。
強いところをさらに強くして、会社全体を押し上げるゲームです。

取引先にとっても、商品整理は価値になる

商品整理というと、「自社都合で削る話」に見えがちです。
しかし実は、やり方次第で取引先にも価値を出せます。

PDFでも、売れ筋と死に筋の情報を主要得意先に伝え、定番の入れ替え提案につなげた事例が示されています。その結果、信頼が高まり、売上増にもつながっています。

これは現代でも十分通用します。

たとえば卸売業なら、

  • 動かない商品を減らし、回転の良い定番に寄せる提案
  • 売れ筋ランキングをもとに棚割り改善を提案
  • 季節商品を早めに絞って欠品を防ぐ提案
  • 低採算の特注を、定番規格へ置き換える提案

などができます。

つまり、商品整理は単なるコスト削減ではありません。
顧客の売上や業務効率にも貢献できる営業提案に変えられるのです。

社長が使える、商品判断の実務フレーム

ここで、実際に会議で使いやすい形に落とします。
商品ごとに次の4項目を5段階で評価してください。

商品評価シートの例

項目1点3点5点
売上規模小さい中くらい大きい
収益性低い普通高い
将来性低い判断保留高い
資源効率悪い普通良い

そして合計点で大まかに分けます。

  • 16〜20点:最重点で伸ばす
  • 11〜15点:維持または育成
  • 7〜10点:条件見直し
  • 4〜6点:整理候補

もちろん、これで機械的に全部決める必要はありません。
ですが、感情より先に数字と基準を置くことで、社内の議論がかなり健全になります。

生成AIを使えば、商品整理の判断が速くなる

ここでも生成AIは役立ちます。
特に、商品点数が多く、Excelを眺めるだけでは判断が進まない会社に向いています。

たとえば、商品別の売上、粗利率、在庫日数、欠品回数、受注件数をまとめて、生成AIにこう指示します。

指示例

商品別データをもとに、

  1. 最重点で伸ばす商品
  2. 育成すべき商品
  3. 条件見直しが必要な商品
  4. 整理候補の商品
    を分類してください。
    それぞれ、売上・粗利・在庫・将来性の観点から理由を簡潔に示してください。

これだけで、社長は「何となく残したい」から抜けやすくなります。

さらに、当社の伴走支援では、業種に応じて見たい指標を変えたオーダーメイドの生成AI活用も可能です。
たとえば、食品卸なら賞味期限と回転率、住宅関連なら案件別採算、制服・作業着ならサイズ別在庫、印刷業なら案件ごとの工数など、商品判断の軸は業種で変わります。

つまり、生成AIの本当の価値は、データを派手に見せることではありません。
「この商品を残す理由」「やめる理由」を社長が腹落ちできる形にすることです。

商品戦略は、会社の未来を選ぶ作業です

ここまで読むと、商品整理は単なる棚卸しではないとわかるはずです。
これは、会社の未来を選ぶ作業です。

  • 過去を引きずるのか
  • 今の稼ぎを守るのか
  • 次の柱を育てるのか
  • 手間の割に儲からない仕事から抜けるのか

この選択が、3年後の会社の姿を決めます。

社長が本気で会社を強くしたいなら、商品を「増やす発想」だけでなく、「軽くする発想」を持つ必要があります。軽くなった会社は、判断も速くなり、在庫も減り、営業の焦点も合い、利益も残りやすくなります。

この章のまとめ

  • 商品を残すかやめるかは、売上だけで決めてはいけません
  • 売上規模、収益性、将来性、資源効率の4つで見ることが大切です
  • 商品ごとの特性を分析し、方針を明確にする必要があります
  • 将来性のある商品には、質のよい資源を優先投入すべきです
  • 収益性の悪い特殊品や惰性商品は、整理候補になりやすいです
  • 商品点数の多さは強さではなく、非効率の原因にもなります
  • 商品整理は、顧客への価値提案にもつなげられます
  • 生成AIを使うと、商品ごとの分類と優先順位づけが速くなります

次の章では、最後の実務論点に進みます。
商品や顧客の偏りが見え、伸ばすものとやめるものが見えてきたら、次に必要なのは在庫と営業資源の配分をどう変えるかです。
ここを変えないと、考え方だけ変わって現場は何も変わりません。最後は、利益が残る会社の「人・物・金の置き方」を整理します。

在庫と営業資源の配分をどう変えるか

ここまでで、売上の見方、得意先の偏り、商品の選別まで整理してきました。
では最後に、社長が必ず向き合わなければならない実務があります。

それが、在庫と営業資源の配分をどう変えるかです。

ここが変わらない限り、会社は本当には変わりません。
分析だけしても、会議だけしても、スローガンだけ掲げても、現場の「人・物・金の置き方」が変わらなければ、利益の出方は大きく変わらないからです。

経営改善とは、きれいな言葉で言えば「戦略の実行」です。
もっと現場っぽく言えば、どこに在庫を置き、誰をどこへ向かわせるかを変えることです。

これができる会社は伸びます。
できない会社は、考え方だけ立派で、毎月同じ景色を繰り返します。

在庫は「悪」ではありません

まず、いちばん誤解されやすいところからお話しします。

中小企業では、在庫を悪者にしすぎることがあります。
とくに、資金繰りを強く意識している会社ほど、在庫に対して過敏になります。

  • 在庫は減らすべき
  • 在庫は持つほど危険
  • 倉庫は軽いほどいい
  • 仕入はギリギリが正解

こうした考え方です。

もちろん、不良在庫や低回転在庫は問題です。
ですが、だからといって、在庫そのものを一律に減らすのが正しいわけではありません。

むしろ、売れ筋商品の在庫が少なすぎるために、会社が自分で売上を止めていることがあります。PDFでも、売れ筋商品を十分に仕入れられていなかった結果、販売制限が起こり、それが見えない品切れ、つまり潜在的な機会損失につながっていた例が示されています。十分に仕入れるようにしたところ、売上が急増しています。
このポイントは、非常に重要です。

つまり、社長が本当に考えるべきなのは、
在庫を減らすか増やすかではなく、どの在庫を減らし、どの在庫を厚くするかです。

会社を苦しくするのは「在庫そのもの」ではなく「在庫の偏り」です

在庫で苦しくなる会社には、ある共通点があります。
それは、在庫の持ち方が逆になっていることです。

つまり、

  • 売れない商品を抱えすぎている
  • 売れる商品は足りない
  • 死に筋が棚を埋める
  • 売れ筋は欠品する
  • 倉庫はいっぱいなのに、売上機会は逃している

という状態です。

これでは苦しくなるのは当然です。

たとえば、次の2社を比べてみてください。

項目A社B社
売れ筋在庫薄い厚い
低回転在庫多い少ない
欠品頻度高い低い
倉庫の使い方バラバラ主力中心
売上機会逃しやすい取り込みやすい

どちらが利益を出しやすいかは明らかです。
にもかかわらず、現場ではA社型が意外と多いのです。

その理由は簡単です。
売れ筋商品は回転が速いぶん、欠品が目立ちやすい。
一方で、死に筋商品は動かないので、そこにあるだけで問題が見えにくい。
だから、社長が意識しないと逆転現象が続きます。

売れ筋商品の欠品は、想像以上に高くつく

多くの会社は、売れ筋商品の欠品を軽く見ています。

「1回売り逃しただけ」
「また次に買ってもらえればいい」
「少し待ってもらえば大丈夫」

こう考えがちです。

ですが、実際の現場では、欠品には見えにくい損失がいくつもあります。

欠品が生む損失

  • その場の売上を失う
  • 顧客の信頼を失う
  • 競合に試されるきっかけを作る
  • 営業が言い訳対応に追われる
  • 追加受注や関連商品の販売機会を逃す
  • 社内で緊急対応が増え、現場が疲れる

特に怖いのは、社長が気づかないまま起こる欠品です。

たとえば、営業担当が「今は少ししか出せません」と自主的に販売制限している。あるいは、お客様が「どうせないだろう」と思って、そもそも注文しなくなる。これは月次売上表には出にくいですが、会社にとっては大きな損失です。

PDFでも、売れ筋商品の仕入れ不足により、販売制限が常態化し、それが解消されたとたんに売上が急増した事例が示されています。つまり、売れなかったのではなく、売らなかったのです。

これは社長にとって、かなり重要な気づきです。

在庫の正解は「売上を増やす在庫」です

在庫の議論で、よくある間違いがあります。
それは、在庫をコストだけで見ることです。

もちろん、在庫には保管コストも資金負担もあります。
ですが一方で、在庫は売上を生むための装置でもあります。

ですから、在庫の正解はこうです。

売上を増やす在庫は持つ。
売上を止める在庫は減らす。

これだけです。

この考え方に変わると、社長の判断はかなり変わります。

持つべき在庫

  • 売れ筋商品
  • 季節ピーク前に積むべき商品
  • 欠品すると大口機会を逃す商品
  • 競合差別化になる定番商品
  • 代替がききにくい商品

減らすべき在庫

  • 低回転商品
  • 注文が不安定な特殊品
  • 惰性で残っている旧商品
  • 粗利が薄く手間の大きい商品
  • 棚をふさぐだけの商品

この区別がついていないと、在庫削減がそのまま売上削減になります。

「在庫恐怖症」が売上を止める

ここで、社長がぜひ気をつけていただきたいことがあります。
それは、在庫を怖がりすぎる心理です。

資金繰りの緊張感が強い会社、過去に不良在庫で痛い思いをした会社ほど、この心理に入りやすいです。すると、現場はどうなるか。

  • 仕入を必要以上に絞る
  • 売れ筋でも厚く持てない
  • 営業が強気に売れない
  • 欠品を避けるより、在庫増を避ける
  • 社長も「それは危ない」と止めがちになる

結果として、売上の伸びる芽を自分で切ってしまいます。

PDFでも、在庫を過度に恐れることで、売れ筋商品を十分に仕入れられず、結果として売上機会を失っていた構図が描かれています。これは、単なる管理の問題ではなく、社長の認識の問題でもあります。

在庫に慎重なのは悪くありません。
ただし、慎重と萎縮は違います。

売れ筋は「欠品しない前提」で配分し直す

では、具体的に何を変えればよいのでしょうか。
答えはシンプルです。

まず、上位商品を欠品しない前提で在庫配分を組み直すことです。

ここが出発点です。

とくに、次のような会社は優先順位が高いです。

  • 上位商品ほど売れ行きが良い
  • 定番品の欠品が時々ある
  • 営業が「今は少しだけしか出せない」と言うことがある
  • ピーク時期に毎年バタつく
  • 倉庫はいっぱいなのに、主力品が足りない

こういう会社は、在庫の総量より、構成の見直しが先です。

実務で見直したい順番

  1. 商品別売上の上位群を出す
  2. その上位群の欠品回数を見る
  3. 欠品時の失注・販売制限の実態を聞く
  4. 下位商品の在庫量・棚占有を確認する
  5. 上位商品の在庫を優先的に厚くする
  6. 下位商品の補充ルールを厳しくする

この順番なら、現場も納得しやすいです。

季節商品は「売れる時にない」が一番まずい

業種によっては、季節変動の大きい商品があります。
この場合、平時の感覚で在庫を考えると失敗します。

たとえば、

  • 夏前に動く商品
  • 冬場に集中する商品
  • 行事・催事に連動する商品
  • 農繁期や工事シーズンに動く商品
  • 新生活・年末需要など波の大きい商品

こうした商品は、売れる時期に在庫がないと意味がありません。
シーズンを逃した在庫は、翌月には価値が大きく落ちます。

PDFでも、ピーク前に主力アイテムを計画的に作りだめし、金利負担を計算しても十分に見合うという考え方が示されています。これは季節商品や繁忙期のある事業では、非常に現実的です。

社長が考えるべきなのは、
「在庫が増えるか」ではなく、
**「その在庫が、ピーク時の売上を取り切るか」**です。

営業資源もまた、平等配分してはいけない

在庫の話と並んで大事なのが、営業資源です。
ここでいう営業資源とは、営業担当の時間、提案件数、訪問頻度、見積対応、社長の同行、販促予算などを含みます。

中小企業では、これが非常に貴重です。
だからこそ、配分を間違えると、会社の伸びが止まります。

多くの会社では、営業資源が次のように分散しています。

  • 小口先への細かい対応
  • 採算の悪い案件への見積
  • 伸びない商品への説明
  • 長いわりに成果の薄い訪問
  • 昔からの付き合いで続く非効率対応

一方で、本来厚く張るべきところには足りていません。

  • 上位顧客の深耕
  • 将来有望な顧客の育成
  • 成長商品の拡販
  • 高粗利案件への提案
  • 新規の重点開拓

この逆転を直すことが、営業資源配分の本質です。

営業担当は「売上高」より「件数」に引っ張られやすい

前章でも触れましたが、営業は放っておくと件数対応になりやすいです。

なぜなら、日々の動きとして見えるのは、

  • 電話の本数
  • 訪問件数
  • 小口注文
  • 見積依頼
  • 細かな問い合わせ
    だからです。

結果として、件数の多い小口先に時間を取られやすい。
でも会社にとって重要なのは、件数ではなく成果です。

PDFでも、小口先にかなりの営業努力が使われていた一方で、その整理により余力が生まれ、それを上位先や新規分野に振り向けることで売上増につながった事例が示されています。

ここから言えることは明確です。

営業の忙しさと、会社への貢献度は一致しない。

社長は、営業の頑張りを件数ではなく、配分の質で見なければいけません。

小口先は「切る」だけでなく「交通整理」もある

ここで誤解しないでいただきたいのは、
小口先を全部やめるべき、という話ではないことです。

実務では、切る以外にもたくさん手があります。

小口先への現実的な対応策

方法中身ねらい
訪問頻度を下げる月1回を隔月にするなど営業時間を空ける
配送日を固定する計画配送に切り替える物流効率を上げる
最低受注額を設ける小口すぎる受注を抑える採算を守る
条件を見直す値引き・掛け率・回収条件を調整収益改善
標準品へ誘導する特殊対応を減らす手間削減
非対面化する電話・オンライン受注を増やす工数圧縮

PDFでも、小口先に対して配送日を決めて計画配送に切り替えた結果、車両台数の削減に成功した例があります。これは今の中小企業でもかなり使える考え方です。

つまり、平等対応をやめるだけでも、かなり余力が出ます。

配分を変えるときは、「浮いた資源の行き先」まで決める

ここが大事です。
在庫や営業のムダを減らしても、その浮いた資源の行き先が決まっていなければ、ただ緩むだけで終わります。

ですから、社長は次の2つをセットで決める必要があります。

  1. どこを減らすか
  2. 浮いた資源をどこへ寄せるか

この2番目が抜けると、改革は失速します。

浮いた資源の代表的な振り向け先

  • 上位顧客への深耕提案
  • 成長商品の販促
  • 新規の重点開拓
  • 売れ筋の在庫厚みづけ
  • 季節前の先行仕込み
  • 営業資料・見積精度の改善
  • 若手営業の育成

PDFでも、整理して生まれた営業余力を新規分野に振り向け、追加売上を作った例があります。これはとても示唆的です。
減らすだけでは守りです。
寄せ直して初めて、攻めになります。

在庫と営業資源は、別々ではなく一体で考える

現場では、在庫管理と営業活動が別部署の話になりがちです。
ですが、社長視点では一体で考えるべきです。

なぜなら、

  • 売れ筋を営業が取りにいくなら、在庫が必要
  • 在庫を厚くしても、営業が売り切れなければ意味がない
  • 小口先対応を減らすなら、物流も連動が必要
  • 成長商品を伸ばすなら、営業・仕入・生産が同時に動く必要がある

からです。

つまり、在庫配分と営業配分は、同じ戦略の表裏です。

ここがつながっていない会社では、

  • 営業が売っても物がない
  • 在庫はあるのに営業が売らない
  • 主力を伸ばしたいのに現場が散る
    ということが起こります。

社長は、このズレをなくす指揮者でなければいけません。

社長が毎月見るべき配分チェック

ここまでを実務に落とし込むために、毎月の確認項目を整理します。

在庫チェック

  • 売上上位商品の欠品は起きていないか
  • 売れ筋の販売制限は起きていないか
  • 季節商品の先行準備は足りているか
  • 下位商品の在庫が棚を圧迫していないか
  • 倉庫の主役が売れ筋になっているか

営業資源チェック

  • 上位顧客への訪問・提案は十分か
  • 将来性のある小口先を育てられているか
  • 採算の悪い先に時間を使いすぎていないか
  • 成長商品の提案比率は上がっているか
  • 小口対応の交通整理は進んでいるか

社長判断チェック

  • 減らした資源をどこへ再配分したか
  • その再配分で売上・粗利はどう変わったか
  • 欠品・失注・特急対応は減ったか
  • 営業が「忙しいだけ」から抜けられているか

この3つを見れば、かなり経営の質が変わります。

生成AIを使うと、配分の見直しはもっと速くなる

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ここでも生成AIは役に立ちます。
特に、在庫・営業・得意先・商品がバラバラの表に分かれていて、社長が全体像をつかみにくい会社に向いています。

たとえば、次のようなデータを用意します。

  • 商品別売上
  • 商品別粗利率
  • 商品別在庫日数
  • 欠品回数
  • 得意先別売上
  • 営業担当別訪問件数
  • 見積件数
  • 配送回数

これを生成AIに読み込ませて、次のように指示します。

指示例1 在庫配分

商品別の売上、粗利、在庫日数、欠品回数をもとに、
在庫を厚くすべき商品、削減すべき商品、様子見の商品を分類してください。
売上機会と資金負担の両面から理由も示してください。

指示例2 営業配分

得意先別売上、粗利、訪問件数、見積件数をもとに、
深耕先、育成先、効率運用先、条件見直し先を分類してください。
営業時間の再配分案も提案してください。

指示例3 社長向け月次要約

在庫と営業資源の配分状況を要約し、
今月のボトルネックと来月変えるべき配分を3つだけ示してください。

これだけでも、社長の視界はかなりクリアになります。

さらに、当社の支援では、事業者ごとの課題にあわせて、こうした分析をオーダーメイドで見える化する生成AI活用型の経営管理アプリへ落とし込むことができます。卸売業なら得意先別の配送効率と欠品傾向、小売業なら売場欠品と回転率、製造業なら案件別工数と主力品の供給余力など、会社ごとに必要な視点を変えられます。

つまり、生成AIの価値は、ただ便利なことではありません。
社長の限られた時間を、「考えるべき配分」に集中させられることです。

おわりに

ここまでお読みいただいた方は、もうお気づきだと思います。
会社を強くするうえで本当に大事なのは、「もっと頑張ること」そのものではありません。

大事なのは、
どこで売上をつくり、どこで利益を失い、どこに人・物・金を寄せるべきかを見抜くことです。

売上が伸びていても安心できない理由。
得意先と商品の偏り。
伸ばすものとやめるものの判断。
在庫と営業資源の配分。

この4つを見直すだけでも、経営の景色はかなり変わります。

逆に言えば、ここが曖昧なままだと、会社はずっと同じ悩みを繰り返します。

  • 売上はあるのに利益が薄い
  • 忙しいのにお金が残らない
  • 倉庫はいっぱいなのに欠品する
  • 営業は動いているのに成果が散る
  • 社長だけが、ずっと苦しい

この状態から抜けるには、感覚ではなく、構造で見ることです。
そして構造で見たら、次は行動に変えることです。

経営は、知って終わりでは意味がありません。
数字が見えたなら、配分を変える。
偏りが見えたなら、重点を決める。
ムダが見えたなら、減らす。
未来の芽が見えたなら、先に育てる。

この繰り返しで、会社は少しずつ強くなります。

特に今は、生成AIをうまく使うことで、こうした判断を以前よりずっと速く、そして実務的に進めやすくなりました。
売上分析、得意先の分類、商品整理、在庫の見直し、営業資源の再配分。これらを社長ひとりの頭の中だけで抱え込まず、見える化し、判断しやすい形に変えていくことができます。

大切なのは、生成AIを流行として使うことではありません。
自社の課題に合わせて、意思決定の質を上げる道具として使うことです。

当社では、クライアントの事業状況、経営環境、外部環境にあわせて、オーダーメイドで生成AIを駆使した経営管理アプリを提供し、伴走支援を行っています。
卸売業、小売業、製造業、建設関連、地域サービス業など、それぞれの業態に応じて、見るべき数字や判断ポイントは変わります。だからこそ、汎用的なツールではなく、現場で本当に使える形に落とし込むことが重要です。

しかも、アプリ開発費用はいただいておらず、顧問料の範囲内でご提供していますので、追加の負担なく導入が可能です。
「気になるけれど、大がかりな投資は不安だ」という会社でも、現実的に始めやすい形にしています。

もし今、
「売上はあるのに利益が残らない」
「何を残して何を減らすべきか判断できない」
「生成AIを経営に活かしたいが、何から手をつければいいかわからない」
という状態なら、一度ご相談ください。

自社だけで数字を眺めていると、どうしても見えなくなる偏りがあります。
第三者の視点と、実務で動く仕組みが入ることで、社長の判断は驚くほど軽くなります。

なお、サービス品質維持のため契約事業者数に上限を設けており、契約上限到達の際はお受けできない場合があります。検討中の方はお早めにご連絡ください。

会社を変える第一歩は、大きな改革ではありません。
まずは、自社の売上、得意先、商品、在庫、営業配分を、正しく見ることです。

その一歩を踏み出せる経営者から、会社は確実に変わっていきます。

当事務所では「補助金申請支援」や 「資金繰り改善」など
経営に関するサポートを幅広く行っております。

ご相談はLINEからも受け付けておりますので
お気軽にご相談ください!

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